■SkinTexModの仕組み
さて、Skinを作り始める前に、前回導入したSkinTexModの仕組みをまず簡単におさらいしましょう。「Plugins」フォルダ内の「SkinTexMod」フォルダを見てみると、「Textures」というフォルダが格納されています。これを開くと、最初から同梱されているスキン(Rockstarタトゥーなどですね)がフォルダごとに分けられて入っています。どれでもいいので、うち一つを開いてみましょう。
・Config.ini
・preview.png
・スキン本体(.png、.ddsなど)
こうした構成になっていると思います。このうち「Config.ini」をテキストエディタで開くと、「Inject=overlay」「BodyTex=png:BodyTex.png」などと書かれた文書が出てきます。この文書はスキンの詳細をかんたんに設定するレシピのようなもので、例えばInject=overlayというのはもともとの肌の上にテクスチャを上書きすることを指定しており、BodyTex=png:BodyTex.pngは「BodyTex.png」というpngファイルのテクスチャを参照しなさいということが指定されています。
難しいことはおいおいいじっていけばわかるので、とりあえず「Config.iniにはどういう肌にするか、何のテクスチャを参照するかなどが指定されている」「previewはJキーを押したときに出る正方形の説明パネル」と覚えておけばOKです。
さて、以下は私が初めて作った落書きスキンです。これはもともとの肌の上に「overlay(乗算)」の形で書き込まれています。ちなみにこれを上書きではなく絶対値で書き込むと、何も書いてない部分が真っ白の
ボディスーツを着たみたいになってしまいます。
で、スキン本体となるテクスチャはこちら↓のPNGファイルです。
見比べるとわかりやすいと思いますが、画像左上の部分がキャラクターのボディー部分に、右下が両腕に、それぞれ張り付けられているのが分かるでしょうか。画像のどの部分がキャラの体に対応しているか、だいたいの地図をつくると以下のようになります。
わかりやすいですね。これは文字部分以外を透過しているPNGファイルで作ってあります。この透明なレイヤーで、キャラクターの首から下をぴったり包み込むのがSkinTexModと思ってもらえればいいと思います。肌自体を全て書き換えるようなテクスチャを作るのは面倒ですが、このように肌の上に文字やイラストを載せるだけのスキンなら、画像編集ソフトで簡単に作ることができます。厚みがなくていいなら、例えば腕時計や絆創膏、ニップルシールなんかも作れそうですね。
…というわけで、誰でも上書きスキンが作れる簡単作成セットを作ってみました(笑)。素晴らしいModを提供してくださっている歴戦のModderさん方からすると失笑ものの謎の物体と思いますが、まずはダウンロードしてみてください。
復号キー:!fEI-FSSeGX03--tlQGCtd-Ojc7zevjXk2eRGi_iQOLg
解凍すると、上に掲載した画像と同じBodyTex.pngとconfig.ini、真っ黒なPreview.png、そして人の肌を平面に投影したような「参考スキン」という画像(↓これです)が出てきたと思います。
configの内容はそのままで、BodyTex.pngとPreview.pngをそれぞれ好きな画像に書き換えるだけで、SkinTexMod用のオリジナルスキンができあがる仕組みです。
レイヤー機能がついた画像編集ソフトでBodyTex.pngを開き、地図の上にもうひとつ透明レイヤーを重ねて、地図の位置を頼りにキャラの全身に入れるタトゥーや落書き、アクセサリ(肌にぴったり沿う厚みがないもの)などを自由に入れてみてください。さらに別レイヤーで「参考スキン」を重ね合わせれば、より正確に体のどの位置に当たるかわかりやすいと思います。サイズやファイル名の変更はせず、保存する場合は必ず透過PNGの形で行う、というところに注意してください。
■スキン作成例
文字だけで書いてもわかりづらいと思うので、ためしにかんたんセットを使ってオリジナルのタトゥーを作ってみましょう。今回はとある読者さんのご希望も踏まえて、架空国家「K国」の国旗をタトゥーにしてみることにします。(わざわざ作らなければ存在しないタトゥーを作ってみたかっただけで、特定の国を賛美もしくは貶める意図はありません!念のため…)。
さて、適当な素材をWebでダウンロードして、BodyTex.pngに加工していきます。といっても、コピペしてサイズと位置を調節するだけです。かんたーん。正確な体の対応位置を調べる必要がないので、参考スキンは使っていません。(もし足の裏とか首とか難しい位置にピンポイントで入れたい場合は、参考スキンも別レイヤーで重ねるとわかりやすいと思います)
↑地図を頼りに、下腹部にタトゥーと侮蔑的な文言を入れたところです。このまま適用すると全身に部位を書き込まれた肉牛人間になってしまうので、いらない地図のレイヤーを消しましょう。タトゥーだけが残ったことが確認できたら、透過pngとして同名・同サイズで保存します。
【重要】なお、ハニーセレクトではテクスチャのコントラストや彩度を(元画像より相当激しく)くっきり表示させる仕様になっています。そのため、例えば和風のカラフルな刺青なんかを作ってskintexmodで読み込むと、想像していたものより相当濃く色彩の陰影がついたものになってしまいます。※ちなみにこの現象はスタジオ背景をオリジナルのpngファイルで読み込んだ時も起きます
そんなわけで、ハニーセレクトで読み込むpngファイルを作る際は、色相彩度やコントラストをあらかじめ「薄くて淡い」方向にいじる必要があります。テクスチャが完成したら、そこからだいたい彩度を-50前後、コントラストを-20前後に調整するのがおすすめです。
ちょっと話が逸れましたが、先ほどの続きに戻って製作したテクスチャをスキンテクスモッドで読み込んでみます。Previewは真っ黒なままですが、この状態でSkinTexModの「Textures」フォルダにぶちこめばOK。
スキン一覧に真っ黒なパネルが追加されています。これは「Preview.png」が真っ黒なままだからですね。これをクリックすれば…
あっさり成功です!もしこのときにタトゥーの位置や大きさなどがおかしければ、ハニセレを起動したままでOKなので、ModyTex.pngを引き続き編集して調整していくことになります。ちなみに、おっぱいやお尻などキャラの体型によって大きく変化する部位にタトゥーを入れると、ゆがみがでてしまうのでご注意ください。ただ、逆にそれがエロいこともありますw
今回は急ぎで作ったので国旗の色を肌に合わせることをしていませんでしたが、白や赤など目立つ色はそのまま載せるとこのように浮いて光ってしまうので、彩度や透明度をいじるなどしてある程度調整が必要になります。(訂正:ごめんなさい、テクスチャは透明度を下げて作っても反映されないようです…。どうしたらいいのかなー)
Previewは真っ黒のままでもいいのですが、↑のようなスクショを適当にサイズ調整して黒い画像ファイルに上書きすれば見やすくなります。なお、この際もファイル名や画像サイズは変更しないようにしてください。
■おわりに
いかがでしたでしょうか。今回はModを作ったというわけではなく、せいぜい「Modで読み込める画像を作った」だけなのですが、非常に簡単にできて大変面白いので、ご興味のある方はぜひトライしてみてくださいね。これを応用すれば、タトゥーどころかエヴァのプラグスーツのようなものも作ることができてしまいます。ちなみにあくまでボディーペイントなので、プラグスーツを作る場合はキャラメイクで乳首を透明化する必要がありますが…
ともあれ、一度K国ものをハニセレで作ってみたかったので、目的が達成できて感無量です。K国コラを作ったのは8年ぶりくらいですね…。遠い目になってしまいますが、ともかくみなさま、よいハニセレライフを!