【第8章】奴隷調教3週目「ハッピーバースデイ」
○月×日(土)
ご主人様の寝室に入れて頂けるようになって一週間が過ぎた。昼間はご主人様たちは外に仕事に出ていらっしゃるので、ぼくはそのあいだ部屋の掃除や、ご主人様に命じられたアダルトグッズの買い出し、夕食の準備などをして過ごし、ご主人様と奥様がお帰りになるのを待っている。夜はご主人様と奥様のセックスを間近で見ながら、チンチンのポーズで待機することになっており、ご主人様が妻の体にたっぷり射精されたあと、僕も手を触れずに射精するのが日課になった。セックスを楽しまれているあいだ、ご主人様は僕にバイブやローターといったアダルトグッズの用意をさせたり、デジタルカメラでその様子を撮影させるカメラマンにさせたり、シャワーで体を流させたりさせ、いろいろな方法でぼくを使って下さる。そんな屈辱感に、僕のチンポは情けなくもまた勃起してしまうのだった。
【第7章】奴隷調教2週目「初めての奴隷射精」
ぼくの調教に科せられた最初の条件は、しごく単純なものだった。
「一日、奴隷として相応しい行動をとれたらオナニーを許す」。
次の調教段階にいくためには、まず態度からというわけだ。僕のペニスには妻の手によって貞操帯がつけられ、手で直接触れることを禁じられた。立って歩くことも許されず、首輪をされ、食事をする際には犬用の皿で倉田と奥様の残飯を食べさせられる。普段は部屋の掃除などの雑用をさせられ、夜はご主人様と奥様が「プレイルーム」で激しく愛し合われるのを部屋の外でただ、待機するのだ。その待機は、ぼくが奴隷根性を心の底まで叩き込まれるときまで続く。それまで僕は、倉田様と沙希様のセックスのご様子を見ることもできず、チンポに触れることも許されないのだ。
【第6章】奴隷調教1週目「入門編」
「東京都港区○○5-○-×にあるマンション9Fの部屋に22:00に来い。その階に部屋はひとつしかないから、エレベーターを降りればすぐにわかる」
倉田からのメールはすぐに届いた。仕事で命令を下すときと同じ、端的でそっけない文章だった。
「誓約書にあるとおり、いまからシャワーを浴び、陰毛や脇毛など全身の毛を処理しろ。それから夕食を取ったあと、同封してあるピンクの栄養剤を2粒飲め。飲むのは毎食後だ。もうひとつ入っている液体の薬剤だが、あとで静脈注射の方法を指導する。明日からは一人でやれ。そのほか、封筒に同封のものは全て持参するように」
繁華街での夜。咲希は、僕に二通の封筒を渡した。ぺらぺらの白の封筒には、緑色をした離婚届が一枚。もうひとつは明らかに書類以外のものがいくつも入った、重く、ごてごてと角ばった黒い封筒だった。「焦っちゃダメよ、家に帰ってから開けてね」と笑顔を見せる咲希は、僕の知っている妻ではない気がした。口調も笑顔もそっくり同じ。でも、その瞳の奥に、僕への嘲りと倉田への陶酔が見て取れた。
【第4章】フラッシュと暗転
瞬くフラッシュに頭が真っ白になった。歓楽街のホテル街に、僕は立ち尽くしていた。ぼくの傍らに立っていたのは、さっきまで僕の小さな陰茎をジュルジュルと口で扱き上げ、情けなく吐き出された精子を「いっぱい出たね」と呟いて飲み込んでくれた女性だった。彼女は『記念撮影』が済んだことに気づくと、フラッシュの方向ににこやかにピースをし、足早に立ち去っていった。そして女性に手を振り、こちらにカメラを向けて笑っているのは・・・九州にいるはずの倉田と、ぼくが今日抱くはずだった最愛の妻、咲希だった。
【第3章】裏切り
営業先を回りながら、僕は浮かれる気持ちを抑えきれずにいた。昨晩咲希が帰宅すると、神妙な顔をしてリビングに現れ、久しぶりに嬉しいことを言ってくれたのだ。
「最近夜きちんと会えなくてごめんね」
「仕事に慣れなくて、夜の接待にもほんとに疲れてて・・・」
「もちろん倉田さんはいい人よ、セクハラとかもないし、本当によくして下さってるから心配しないで。でも、それで・・・あなたとの夜を大事にできなくて、ごめんなさい。しばらくは毎晩遅くまでの接待が続くけど、来週の金曜日の夜は必ず帰るから。ゆっくりしようね」
思い出すだけでも顔がにやけてくる。『ゆっくりしよう』は学生のときからの僕たち二人の『Hしよう』の合言葉だった。来週の金曜には久しぶりに妻を抱ける!それだけで鬱々としていた僕の気分は晴れやかなものになった。