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【FANZA】「見た目は児◯ポルノ」なCG集発売、最高裁判断は

最終更新:2022/02/20 23:48 │ ブログ記事 | コメント(0)
カルト女子
数日前から当サイトのトップ広告に出るようになった謎のFANZA作品。しげしげと見たら本当に3DCGで驚きましたが、画像からして死ぬほどアウト感が漂うので興味がある方は早めにDLしておいたほうがいいかも。ちなみに、「CGで裸の女児をリアルに描いて販売したら児◯ポルノにあたるか否か」が争点となった刑事裁判が過去にあるので、今回はちょっとCGと児◯ポルノに関する最高裁判断について書いてみようと思います。(賢木は法学部出身です)

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聖少女伝説事件

 この裁判で問題になったのは、少女の裸体をテーマにした「聖少女伝説」「聖少女伝説2」というCG画像集です。制作者の男性は2013年7月11日に児◯買春・児◯ポルノ禁止法違反の容疑で逮捕され、その後「実在の裸の女児の写真データ(児◯ポルノ)を素材にしてトレスし、これらのCG画像集2冊を販売した」として起訴されました。

 検察側は「画像は、実在児◯の写真をトレースなどして作ったもので、児◯ポルノにあたる」と主張、弁護側は「実在しない人物を描いたイラストだから、児◯ポルノではない」と反論。結局2020年に最高裁判決が下されるまで7年間も争うことになりました。

 結局男性には罰金30万円の有罪が確定しましたが、裁判で主に争われたのは、児ポ法が「描写された女の子の権利侵害(個人的法益)」を重視したものか、それとも、「社会の性的搾取および性的虐待を防止するという利益(社会的法益)」を重視したものか…ということ、そして「実在しない少女を描いた場合でも児ポに当たるのか」ということでした。 

 難しい話をすっとばすと、結論として裁判所は「児◯のように見えるけど実在しない人物の場合や、実在する児◯の顔だけ描いて、そこに想像で裸体をくっつけた場合には、児ポに該当しないよ」という判断を下しました。二審は「一般人からみて、実在の児◯の姿態を忠実に描写したものであると認識できる場合には、「児◯ポルノ」として処罰の対象となる」と指摘しており、男性が有罪になったのは、起訴されたもののうち「トレース元が実在する児◯と判断でき」「裸体部分も実物写真をトレスしていた」ものについてだけとなりました。

 最高裁も、はっきりと「児◯ポルノとは、写真、電磁的記録に係る記録媒体その他の物であって、同項各号のいずれかに掲げる実在する児◯の姿態を視覚により認識することができる方法により描写したものをいい、実在しない児◯の姿態を描写したものは含まないものと解すべきである」と指摘していて、非実在児◯には児ポ法は及ばないことが明確にされています。

もう一度鑑定品を見てみよう

カルト女子
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さて、司法の判断はこのような結果となったわけですが、翻って当該作品を見てみるとどうか。遠目では写真に見まがいますが、少なくともこの画像が3DCGであることは拡大すれば明らかです。描かれている女性も外観上は18歳未満に見えますが、制作者がゼロから3Dモデルを作った画像であれば、「実在しない児◯」となり、児◯ポルノには当たらないというのが「聖少女伝説事件」の判例でした。もちろん、3DCGというテイではあっても、実在する写真をトレスするなどしてCG風に加工したもので、モデルが実在する場合はアウトになります。>では、もしかしてどんな低年齢に見えるほぼ実写なエロ画像を作っても、非実在である限りおまわりさんはほっといてくれるのでしょうか?

非実在の証明は

こうした児◯ポルノは、写真から被写体が誰なのか特定できないことが多々あります。そうした場合、明らかに10歳にも満たない児◯の写真を所持していても、「誰か特定できないからこれは児◯ポルノには当たらないよね」ということになるのでしょうか。そんなことはありませんよね。

被写体の生年月日が特定できない場合、国内では、専門家が外観の乳房・陰毛の発育状況から年齢を推定する「タナー法」という方法が取られてきました。聖少女伝説事件でも被写体の少女は特定できなかったのですが、34の画像がタナー法による立証で、「あーこれは児◯ですな」ということになり、児◯ポルノとして起訴されました。しかし、実際に診察もしないで写真の見た目だけで年齢を推定するというのはかなり信用性が低いものです。聖少女伝説事件の1審でもその点を指摘され、結局3画像だけが児◯ポルノと認定されました。ちなみに弁護側は控訴審・上告審でも「タナー法には全面的に信用性がない、3画像についても児◯性が立証されていない」と主張しましたが、最高裁はこの点について判断してくれませんでした(最高裁って問題があるとした部分以外は判断しない仕組みなんです)。

当該作品のような3DCGについても、見た目がど~~みても実在児◯に見えるよという場合は、おまわりさんがおうちに訪ねてくるかもしれません。全く問題のない0から作った3Dモデルであれば起訴は難しいでしょうし、どうぞどうぞというところですが、PCを押収されたりと面倒なことになる可能性もあります。刑事事件になる・ならないは別として、「見た目アウト」な作品は結局いろいろな意味でリスキーなのです。FANZAなどにクレームが行って流通を絶たれるケースも考えられますので、いずれにせよこういう作品が好きな方はお早めに、という結論になるのですね。

そんなわけで、今日は勉強になるお話「見た目は児◯ポルノなCG集発売、最高裁判断は?」でした。再見!
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