ページの先頭へ戻る

アイドル転落マインドコントロール

最終更新:2016/12/08 20:00 │ 【小説】短編シリーズ | コメント(0)
やあこんにちは、シャイニープロダクションでプロデューサーをしている権藤です。今日はわざわざノーアポでウチの事務所まで押しかけて来てくれたそうで、いやいやどうもありがとう。そこにいるウチの美優に会いに来たんだってね。何でも、高校時代から付き合っている彼氏さんだそうじゃないか。確か、2度目のデートで頑張ってお台場のホテルに連れ込んだあげく緊張しすぎてチンチンが勃たなくて、そのまま美優の手を握って朝まで過ごしたって男の子だよね?美優から全部聞いたよ。いまでも2回に1回は挿入前に射精しちゃうんだって?……プッ、いやいやなかなか……いまどき見所のある若者だねぇ。ハハハ。


ハニカム  ハニカム


そうそう、それで名前は何と言ったかな? ん?……ああそうか、俺の命令がないと口も開けられないんだったね。えーっと、君は何番だったかな。ピッポッパと……。あー、そうだそうだ。

「奴隷638号、首から上を動かすことを許可する」。

(キイイイイイイイイイン……)

……ハッハッハ、自由に口を開けるようになったらずいぶんな物の言い様だね。威勢よく「美優を返せ」とか言われちゃってもねえ……、そもそも君のものでもないし、美優は自分で選んでアイドルの道を望んでいるわけだし、というかチンチン丸だしの全裸状態でイスに座ってるその情けない格好からは……プッ、ちょっと勇ましすぎて恥ずかしいセリフなんじゃないのかな?
なあ美優、彼氏はこう言ってるがお前はどう思う?

「はいプロデューサー、あたしはハル君のものではありません。シャイニープロダクションに所属しているのも、プロデューサーのご命令には何でも従うのも、全て自分の意思でそうしています」

……だってさ。奴隷603号、こいつのことはこれから「ハル君」ではなく「マゾ男」と呼ぶようにしろ。それから、こいつへの愛情値はいまいくつだ?

「はいプロデューサー、ご命令を復唱します。これからその男のことは『マゾ男』と呼びます。美優のマゾ男に対する愛情値は現在+89%です」

そうかそうか、じゃあ奴隷603号、こいつへの愛情値・友情値は今後0%で永久に固定にしておくようにな。道端に落ちてる石と同じように扱うんだぞ。

「はいプロデューサー、美優のマゾ男に対する愛情値は0%に固定しました。道端の石と同じように扱います。ご命令ありがとうございました」

……それでなんだったかな、マゾ男くんのご用件は。ああ、美優に声を掛けても無駄だよ、今は催眠状態だし、たとえ通常に戻ったとしても、普通にお話はしてくれないだろうな。愛情値・友情値とも0というのは完全な他人だからね。君についての記憶がなくなったわけじゃないが、もう今後は路傍の石というか、小学生時代に隣のクラスだった奴なみの扱いをされると思ったほうがいいね。いちおう最高ではマイナス100%というのもあるんだが、それだと「大切な家族を殺した憎むべき殺人鬼」くらいの嫌われ方をするんでね。事件に発展しかねないから、まあ0%くらいにしておいてあげよう。いやね、たまにいるんだよ、彼女とか奥さんを俺に寝取られて直談判しに来る君みたいな輩がね。普段だったらこの催眠導入機でサクッと記憶をいじって即ポイするところなんだが、今日は機嫌がいいから少しお話をしようか。


俺がこの導入機を手に入れたのは30代半ばくらいかな、当時は金がなくてねえ。わいせつだの窃盗だの未成年略取未遂だので、恥ずかしながら3度ほど刑務所のお世話になっていたんだが、いざ出所しても仕事もなければ金もない。どうせやるならガッツリ儲かる振り込め詐欺でもやりたかったんだが、マニュアルも名簿もないしヤクザ屋の手下になるのもごめんだってんで、空き巣とかひったくりとかをやってしのいでたんだ。ところが、ある日に中野駅前の飲み屋でたまたま置き引きしたバッグが、俺の人生を突如バラ色に変えてくれたってわけだ。
当時はねぐらもなかったから、カラオケ屋や漫画喫茶で寝泊まりしていてね。情けない話だが、駅前の飲み屋でひとり無銭飲食してた俺は、たまたま他の客が置きっぱなしにしてたバッグがあったんでついでに頂戴しつつ、会計をバックレて隣駅まで全速力で走ったんだ。そんなのいつものことだった。それで、目についた適当なカラオケ屋の一室に駆け込んで、ようやく一息ついてバッグの中をあらためたんだが、どこを見ても現金が見当たらない。最初は外れだと思ったね、これじゃこのカラオケ屋の金も払えない。「こりゃこの部屋で朝まで粘って、また食い逃げかな」と覚悟を決めたわけだ。でも、バッグの中を探ってみたら、このスマホみたいな機械が入っていてね。当時はスマホなんてほとんど普及してないころでね、今をときめくiphoneだって「落としたら画面が割れる携帯なんて誰も使うはずがない」ってバカにされてた時代だったな。話がそれたが、そのスマホもどきに同封されてたマニュアルをみて俺は笑ったわけよ。「催眠導入機」「カメラ部分を被験者の目にフォーカスして導入開始」「超音波と光の相乗効果で催眠状態に入ります」とかまことしやかに書いてあってね。学のない俺でもさすがに荒唐無稽だと思ったね。でも「なになにデシベルを上回る雑音がある場所では、脳のα波とθ波がどうのこうので使用できません」とか「一度催眠導入をした被験者であれば、キーワードを呼び掛けることによって再度催眠状態に復帰できます。思わぬ状況で催眠状態に入らないよう、キーワードは普段の生活で絶対に耳にしない単語にしてください」とか、異常に細かいんだよな、そのマニュアルが。「超音波だけを耳にしても無害ですが、カメラ部分の光をのぞき込むと使用者も催眠状態に陥る可能性があります。鏡のある場所では後使用はお控えください」とか、表現にいちいち真実味があってな。で、カラオケ屋で歌いもせず適当にメシだの酒だの食べまくった俺は、午前5時ごろ会計しに来た店員の姉ちゃんにダメ元で使ってみたわけだ。マニュアルにあるとおりカメラを向けてパシャっとね。

そしたら突然目がとろーんとしてよ、なんつうか、死んだ魚みたいな目になってさ。棒立ちのままで「催眠状態に移行しました。キーワードを設定してください」とか言い出すのよ、電話のオペレーターみたいな無機質な声でさ。そこの美優がさっきしゃべってただろ、あんな感じでな。

この状況、お前だったらどうする? あん?……カッ、ノリが悪いねえー。良い子ちゃんのマゾ男くんとは違って、そのときの俺は考えに考えた。これは人生の転機かもしれねえってね。いわゆるひとつの「デスノートを拾った夜神月状態」だ。若いんだから知ってるだろ、デスノート。天才が拾うべきものを拾ったとき、やることは一つだ。そう、実験だよな。

そのカラオケ屋の子は確か詩織ちゃんって言ってな、あー、ウチのアイドル並ではなかったが、そこそこ美人だったな。その日に散々しゃぶり尽くしてすぐ脳みそいじって放流しちまったけど、カラオケ屋みたいな表のバイトをやらしておくには惜しいほど実にいい体しててなあ、今でも名前は忘れないぜ。金もない、女もないのムショ出の俺は、速効で詩織ちゃんにあらゆることを試したね。キーワードは《権藤様の言うとおり》に決めて、オレ流催眠ルールを登録しまくったぜ。とりあえず「俺の言うことには何でも従う」にしとけばいいのによ、慣れてないから、「催眠が解けたら、目の前にいる男に財布を渡してクレジットカードの暗証番号を教える」とか「店長に体調が悪いと言ってすぐ早退し、目の前にいる男とラブホテルに行く」とか「コンドームなしでセックスするのは当たり前」とか、思い付くままに獣欲の限りってやつだな。もちろん、その命令は全部その通りになったわけだ。ヤッホー神様ありがとう。

 もう一回聞くけどよ、お前だったらどうする?こんなもの手に入れたら、男としてやることは一つだろ。女はガキでも姉ちゃんでもアイドルでも女優でもヤリたい放題だ。金なんかなくても、この道具ひとつで自由に生きていける。でも、意外とそうでもねえのよな。だって、どうやったってこの装置を使うには静かな場所で一対一にならなきゃいけないわけだろ。それに、同時に複数の人間には掛けられない。駅で見かけた知らない女と今すぐヤリてぇ!と思っても、静かな場所で2人きりにはなかなかなれねえよな。それにどこの誰が作ったもんか知らねえけど、下手したら政府や警察が追ってくるかもしれない。おれみたいなオッサンにあらゆる女がメロメロになって、金だの住まいだの提供してくれるなんてどう考えても不自然だろ? 前にマインドコントロール男ってのがニュースになったことあったよな、教祖みたいなオッサンが何人も若い女はべらせてるって話。俺はあいつがこのマシンの本来の持ち主だったんじゃないかってたまに思うんだが、とにかくそんなニュースが流れてみろ、一般人には分からなくても、この催眠導入機を知ってる奴はすぐピンとくるよな。「あ、盗・・んだのはこいつだな」ってな。教祖様が取り返しにきても怖くもなんともないが、もしこれを作ったのが政府だったりしてみろ、警察や自衛隊が総出で襲ってきてもおかしくねえ。そんなんでこの天国モードはおしまい、なんてクソみたいだろ?それにせっかくならホテル暮らしじゃなくて都心のマンションや高級車も欲しいのが人のサガだよな。金持ちやいい女と2人っきりになる方法をちまちま考えるより、もっと一発で解決できる方法がないかと俺は考えたわけだ。

 カラオケ店員の詩織ちゃんとヤリまくって有り金全部をいただいて、適当な記憶を植え付けて家に帰した俺は、とりあえずラブホで喰っちゃ寝しながら作戦を立てた。もちろん高級デリヘル嬢を10人ばかり連続で呼んだりして楽しみに楽しんだな。1人ずつMCを掛けて奴隷にして、無料のアブノーマルプレイをした上、永遠にお金を振り込み続ける「貢ぐちゃん」になってもらってな。んで、ラブホのテレビを見ながら「不自然じゃなく俺がハーレム生活を送る方法」を考えてたら、横で10人目のデリ嬢が言うわけよ。「あ、この社長あたしの客だー」って。そのときテレビに映ってたのは、大手芸能プロダクションのシャイニープロ社長、寺西って男だった。「あーいいなー、こういう立ち場だったら催眠導入機なんかなくても金も女も不自由しねえのに」と思った瞬間、俺の頭の中のCPUが高速回転して、答えが出たわけ。努力して芸能人や金持ちと2人っきりになりに行く必要なんかないんだ、芸能人や金持ちが向こうから集まってくるところに俺がいればいいってな。

あとはご想像の通りだ。そのデリヘル嬢が次に社長に呼ばれたときに俺もついていってな。デリヘル嬢が仕事を終えて出たところでホテルの一室に乗り込んで、サクっとMC完了よ。それから俺はめでたくシャイニープロの敏腕スカウトマンになってな。芸能界の名刺の力はすごいよな、渋谷でも丸の内でも、街を歩いてる綺麗な女はみんなホイホイついてきて、催眠導入機で簡単にパシャリだ。奴隷が100号を超えたのはこのころだな。俺にかかりゃあどんな女でも言いなりなんだから、そりゃああっという間にプロデューサーよ。豊洲と六本木にマンション買って、ブガッティもロメオも即金でお買い上げだ。それまで人に尊敬されることなんかなかったから、このころはチョット真面目に仕事しちゃったぜ。つっても、毎日街で美人に声かけてはやりまくってただけなんだけどな。ヨソのダクションからも散々引き抜きまくったから、ずいぶん恨まれたよ。知ってるだろ?アイドルの吉住愛子。あいつとも映画の撮影の合間にバレないようにヤリまくったわ。口の横に俺の陰毛ついてて撮り直しなんてこともあったな。へへへ。
結局ホテルで会ってるとこを週刊誌に抜かれちゃって、面倒になったからとりあえず入籍してみたけどよ、ご存じのとおり一瞬で別れたわ。催眠導入機があっても、国民全員にMCかけるわけに行かないからな、それほど無敵とは言えないな。まあそんなことが2度ほどあって、いまは気楽なバツ2人生なわけよ。

 まあそんなところだ。話を戻そうか。

マゾ男くんがご執心の美優はずいぶん前からうちの新人部門で扱ってきたけど、なかなか芽が出なくてなあ。こういうのは10代が終わり次第サクッと着エロだのAVだのの業界に卸しちゃうんだけど、この娘は世間でもそんなに有名じゃない割にかわいくてね、外を連れ回すのにちょうどいいから、申し訳ないけど都合のいい便器として使わせてもらってるよ。俺のチンポケースとしてはエコノミークラスってとこかな。そうそう、悪いね、このあいだは誕生日デート中に携帯で呼び出したりしちゃってさ。まあデート中だって聞いてたからわざわざ呼び出したんだけどな。ホント申し訳ないと思ってるよ。ゴメンな。
でもさ、この娘は特に時間かけて脳みそいじって相当強烈なフェラチオマシーンに改造したから、マゾ男くんもコッテリ楽しめただろ? 「フェラ奉仕するときはまずは足の指から順番になめるように」とかな、最後のお掃除フェラの舌の動かし方からごっくんした後のごあいさつまで、しっかりキッチリ俺の好みを教え込んであるからね。すごかったろ、美優のスペシャルバキュームフェラ。 ……えっ、そんなのしてもらったことないって? 彼氏なのに? あっちゃー、それは悪いことしたなぁ。
あっ、そっか。最初にマインドコントロールかけたとき、彼氏には二度とサセないように命令しといたの、俺だったわー! 忘れてた忘れてた、超ゴメンな!京都にクソ高いソープ嬢がいてさ、その究極のフェラテクを催眠導入機を使って脳みそに直接インストールしてるから、キミも機会があったら一度しゃぶってもらうといいよ。でも、今の君には愛情値も友情値も永遠に0%だから、美優にフェラしてもらいたかったら縛って脅して無理やりやらせるくらいしか方法ないけどな。ははははは。

 そういえば、美優はずいぶん強情でなあ。俺は最初っからMCかけて女を自分のものにするのはもうすっかり飽きててさ、年甲斐なく恋愛のカケヒキをしたい気持ちだってあるわけよ。わかる?美優は俺がMCかけて無理やり事務所に所属させた催眠組じゃなくて、普通のオーディションを通って入ってきた天然組のアイドルだったんだよね。そういう娘、しかも彼氏持ちの娘を実力でなびかせるのって、最高に燃えるだろ? でもさ、この娘はなかなか俺の愛人になってくれないわけ。TwinTAILは3人ともみんな強情だったな、センターの美優だけじゃなく、ロリキャラの小此木愛もお姉さんキャラの佐野原恋も、なかなか堕ちなくてさあ。深夜帯のゲスめのエロ番組とか、アングラ系の仕事ばっかり振ってやってガンガン追い詰めたんだけど、全然ヤラしてくれないわけよ。俺の愛人になればいい仕事振るよーって親切に教えてるのにさ。しかもこいつら全員彼氏持ちだよ?おじさんも参ったね、アイドルが彼氏いていいのかよと小一時間問い詰めたいね。
愛人はいいよ、アイドルの仕事なんて、しょせん歌って踊ってよりも俺たち芸能関係者の性欲処理がメインなんだからさ。芸能界なんて、政界財界相手の風俗嬢あっせん所みたいなところあるしさ。でも恋人はまずいよな、いずれAV業界に卸すつもりだったにしても商品価値が落ちるしさ。そんで、ついに自由恋愛における愛人化という夢をあきらめた俺は、泣く泣くTwinTAILの3人をこの部屋に集めてこう言ったね。《お前たちは今日から奴隷603号、604号、605号だ》って。催眠導入機を見つめながら、死んだ魚みたいな目になった三人はもちろんこう言ったよ、「はい、わかりましたプロデューサー。ご命令には何でも従います」ってさ。

話が長くなったなあ、そんなわけで美優は俺の専属フェラチオマシーンに改造されたので、ハルくん、おっと失礼、マゾ男くんのところには二度と戻らないんだそうだ。そうだよな?

「はい、美優は奴隷603号として一生プロデューサーのご命令に従って生きていきます。マゾ男とはもう会いません」

というわけだ。おじさんの自慢話はこれでおしまいだ。ごめんな、たまには秘密をしゃべらないと、ストレスがたまってしょうがないんだよ。王様の耳はロバの耳だからな。
それじゃあ、君にも都合のいい記憶を植え付けさせてもらうよ。……ああ、抵抗しても無駄なのはもうわかってるだろ、うるさいから静かにしてくれ、《権藤様の言うとおり》にな。


さてマゾ男くん、じゃなかった奴隷638号、インストールを開始しろ。ひとつ、お前は事務所のプロデューサーとイイ仲になった美優と疎遠になり、恋人関係はトラブルなく自然消滅した。ふたつ、美優が今後お前に会わなくなったり、アイドルを辞めてAV女優になったりしても、お前は何も疑問には思わない。ごく当然のことだ。みっつ、お前の美優に対する愛情値は常に+100%のままとする。よっつ、美優に手を触れることは二度とできない。五つ、もし今後美優のAVが出たら毎日それを見てオナニーするのがお前の日課だ。使える金を全て美優のAVにつぎ込んで、知り合いに配って布教しろ。六つ、お前はこれから、愛した女を誰かに寝取って頂くことに最高の快感を覚える寝取られマゾだ。永遠に苦しめ。

「命令のインストールが終了しました。はい、わかりました権藤様。私遠藤春樹は、これから一生寝取られマゾとして生きていきます。このたびは大切な美優を寝取って下さり、本当にありがとうございました」

関連記事

コメントの投稿













管理者にだけ表示を許可する