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【雌堕ち小説】スペードクイーンチャレンジ(下)

最終更新:2017/08/23 17:49 │ 【小説】短編シリーズ | コメント(0)
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(ねえねえ、結局いつ告るの?絶対イケるって、明梨の場合)
(ちょっ、こんなとこでその話!あっちに瀬尾いるし!)
(小学校からの腐れ縁でしょお?もうあたしらもさすがに応援するの飽きちゃったよ)
(そうだよ明梨。瀬尾けっこう顔かわいいし、あんたがぐずぐずしてると楽器部の後輩に取られるよ、マジで)
(チカの気持ちわかるわ~。結末見えてる恋愛漫画がだらだら続くの、ほんと飽きるのよね)
(やめてよ茉奈まで・・・もう、あたし告るから!今日!)
(((まじ!?)))

教室の片隅で固まってひそひそ話をしていた少女たちが突然きゃあきゃあ騒ぎ始めたので、クラスメイトたちはなんだなんだとあきれ半分、好奇半分の視線を送った。4時間目がもうすぐ始まる休み時間。自分たちが注目の的になっていることに気づいた神橋明梨は「な、なんでもないなんでもない」と顔を真っ赤にしてごまかすのだった。

明梨はこのところ、「瀬尾との恋仲を今こそ進展させよ」という友人からの圧力を受け続けて正直うんざりしていた。彼女が中学時代から同じ楽器部の瀬尾まことに恋心を抱いているのはクラスの女子たちにとっては周知の事実である。遅々として進まない二人の仲をこの秋こそ後押ししてやろうという友人たちの気持ちはありがたいのだが、明梨はいざとなると一歩が踏み出せない自分の弱気が嫌で仕方がなかった。明梨は小学校からずっと続いてきた「近所の幼なじみ」という関係が壊れてしまうのがどうしても怖かったのだ。


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「せっかくの夏合宿でも二人っきりの機会なし?てかほとんどしゃべらなかったって?は~・・・明梨って普段はグイグイくるキャラのくせに、瀬尾に限ってはなんでこんなに奥手なのかねえ」
「やめなよチカぁ、明梨の奥手は今に始まったことじゃないでしょ~。でも、あたし瀬尾は絶対明梨のこと好きだと思うなー、たまーに明梨のことちらちら見てるしねぇ」
「ま、まじ!?あたし信じるよそれ!」
「間違いなくそんな気がする。ような気がしなくもない。うん」
「どっちよ!」

あははは、とみんなが笑ったところで始業のベルが鳴った。今日は楽器部の練習がある日だから、帰りは瀬尾と一緒になるはずだ。昔はまことくん、あかりちゃんと呼んでいたけれど、思春期というやつが嵐のようにやってきて以来、わたしたちは「瀬尾」と「神橋」になってしまった。もう一度昔のように呼び合えるように、この春こそ、この夏こそ、と何度も決意しながら、結局いまはもう秋。破局するにしろ成就するにしろいい加減、このぼんやりした青春に決着を付けたい。国語教師のはげ上がった後頭部をぼんやり眺めながら、明梨はそう思った。

                   * * *

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明梨が例のアプリを始めようと思ったのは、クラスメイトの杉本千佳に勧められたのがきっかけだった。怪しい願掛けアプリごときで青春の諸問題が解決すれば世話はないが、「神さまだかアプリさまだか知らないけど、女子がこういうときに頼るのはおまじないって決まってんのよ、紫式部の時代から」という千佳の言葉に幾ばくかの説得力があったことは確かだ。さっそくアプリをインストールし、次の日から秘密のチャレンジが始まった。薬指の爪だけを伸ばしてみたり、四つ葉のクローバーを探してみたり。


(効き目が本物かどうかは知らないけど、あたしがスペチャレやってるって瀬尾が知ったらどう思うかな。女の子として意識してくれたりしたら最高なんだけどな・・・)

他愛もないチャレンジを続けながら、いじらしくもそんなふうに考えていた明梨だったが、彼女の純な思いはこの後、坂道を転げ落ちるように暗転することになる。

     * * *

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「明梨あんた、先週どうしてたの?風邪っつっても一週間サボりはやりすぎでしょ」

「う、うん・・・ちょ、ちょっと学校休みたくなってサボっちゃった」
「あんたそれ、終わりの始まりだよ~」
「ごめんごめん、今週はちゃんとするからさ・・・」
「しかしほんと、あんた見た目変わりすぎ!最初明梨ってわかんなかったし!」
「はぁ・・・あたしの明梨が不良になってしまった・・・」
「チカぁ、これくらいがちょうどいいのよ明梨には。あーあれだ、さては始めたな?例のスペ・・・むぐぐ」
「明梨、サボりもいいけどイメチェンはほどほどにしなよ?髪もピアスも校則違反!ヤンキー女なんか絶対嫌いだよ、瀬尾はさ」
「うん、わかってる」

つい「スペチャレ」のことを言おうとした茉奈の口にコンビニまんじゅうを突っ込んで黙らせつつ、千佳は明梨に釘をさした。このところスペードクイーンチャレンジは女の子の間で半ば神格化しており、たとえ友達でチャレンジ中だと気づいても、絶対にそれを指摘してはいけないのがお約束になっている。「他人の恋愛を邪魔する者は敵」という女子の掟はいつの時代も変わらない。

ただ、千佳はここ1カ月で急激に変貌した明梨の様子に大きな不安を感じていた。友達の中でおしゃれに目覚めるのが一番遅く、いまだリップクリームひとつ持ち歩かない女子力の低さを見せつけてきた彼女が、このところ急にメイクに目覚めたばかりか、髪も染めるわピアスは開けるわジェルネイルは始めるわと急スピードでイメチェンを続けている。他の女子なら「あの子もようやく色気づいてきたね」で済む話なのだが、明梨の変化は見た目だけでなく素行にも及んでいて、まるで別人が乗り移ったかのようだった。

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とりわけ、先週の一週間サボり事件はいただけない。親に黙って瀬尾と旅行にでも行ってきたのならまだいいが、明梨がSNSにアップしている写真を見ている限り、単にバスケ部あたりのチャラい先輩たちと遊び歩いていただけのようだ。先輩の家で撮ったらしいインスタの端っこにはチューハイの空き缶やらたばこの吸い殻も映り込んでいて、根っからのクラス委員長タイプを自負している千佳としては「あんたいい加減にしときなよ」と言いたくもなる。

思い当たる節は一つしかなかった。自分が一月前にふと口にした例の「アプリ」だ。明梨には言わなかったが、千佳自身もスペードクイーンチャレンジで恋の願掛けを試したことがある。無神経なクソ兄貴の無神経な指摘によって半月ほどで失敗してしまったが、学校を強制的に休ませたり、見た目を派手に変えさせたりするような過激な「課題」が出たことは一度もなかった。せいぜいナントカ色の消しゴムを買いましょうとか言った程度で、雑誌占いの域を出るようなものではないはずだ。ネットで言われているような「この動画を見ろ」という課題も出たことはあったが、指定されたのはYOUTUBEである海外バンドのMVを視聴せよという程度のもので、世間で言われているように「脳内に影響して人格ごと変える」たぐいのものには思えなかった。

「明梨さあ」
「・・・ん、何?千佳」
「あんた・・・あーいや、なんでもない」

教室の椅子にだらしなく座り、コーラ味のチュッパチャップスをちゅぱちゅぱとなめながら生返事を返す明梨は、以前とはまるで別人のようだ。本当は『スペチャレでどんな課題が出たの?』と尋ねてみたかったが、チャレンジについて尋ねることは女子の間では禁忌だ。親友のため千佳にいまできることは、ただ口をつぐんで見守ってやることだけだった。

とはいえ、明梨の思い人の方も最近妙な様子である。教室の後方を振り返れば、いやに可愛らしい仕草で男子たちに取り巻かれている瀬尾がいた。彼はもともと「ギリギリ美少年」と言ってもいいタイプの子で、明梨は中学時代から「ジャニーズの○○くんよりかっこいい!」と密かに主張していたものだったが、高校に入って男らしくなるどころか、このところさらに小動物的なかわいらしさが増している。むしろ今はジャニーズ方面より欅坂方面に進んでいる感じだ。「いじめたくなるオーラ」というのか、おどおどしてすぐ涙目になるところなどマゾっ気でもあるんじゃないかと思ってしまう。いじめっ子の気を引こうとしてわざとやっているんじゃないだろうか?まあ、この間の文化祭で瀬尾にメイド服を強制的に着せさせたのは自分なのだが・・・。

(あんたたち、ちゃんとやんなよ?どうせ幼なじみで腐れ縁で両思いなんだからさ・・・)

幼なじみ2人がちゃんとカップルとして成就することを願いつつ、雲行きの怪しさに千佳はため息をついた。


                    * * *

「はい、また明梨ちゃんの負け~❤」
「うそっ、先輩絶対いまズルして・・・」
「はい脱ーげ、脱ーげ、脱ーげ♪」
「おお~、やべえやべえ、明梨ちゃんマジいいわ~」
「あんっ ちょ、だめっ先輩、あたしほんとぉっ・・・」
「マツジュンまじエグいわー、鬼畜すぎるww」
「あ~ワリ、Bカップおっぱいマジ大好物なんで我慢できねーわw いっただっきまーすww」
「だ、だめっ!いやあんっ❤」

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昼休み。明梨はほこりっぽい匂いが漂う体育館倉庫で、バスケ部の3年生たちにおもちゃにされていた。トランプが散らばる体育マットの上でブラウスをはだけさせられ、あらわになった桜色の乳首を松本順平という先輩に乱暴に吸い付かれて甘いあえぎ声を漏らしている。

こんなことになったのは、元はといえば「ラブホテルのロビーの写真をスマホで撮ってくる」というアプリの課題のせいだった。そんなところに一度も出入りしたことがなかった明梨だったが、人目を忍んでおっかなびっくり写真を撮り、ホテルから出てくる最悪のタイミングでマツジュンに出くわして以降、半ばナンパ、半ば脅迫のような形で毎晩連れ回されるようになった。明梨より2つ年上のマツジュンは、中学時代から近所では有名な不良だった。マツジュンやバスケ部の連中の夜遊びにつきあわされているうちに、明梨は酒も煙草も強制的に体験させられ、その都度しっかり脅迫材料となる証拠写真も撮影されて、今や何でもいいなりになるバスケ部の共有奴隷のようなポジションにおさまっていた。まことのために大切に守られていた処女は、もちろん既にマツジュンのペニスによって散らされている。

「はい明梨ちゃんこっち向いてピースして~。・・・うぇーい!」
「見して見して!・・・あ~いいねー、このピースがいまいちピンとしてないビミョーな感じ」
「わかるわかる!無理やり犯した後に和姦の証拠写真撮るぞって脅されてるっぽくてな❤」
「ギャハッ、ター坊の説明マニアックやな!」

毎晩遊び歩いているマツジュンたちの金の出所は、出会い系サイトを使った美人局(つつもたせ)だった。明梨と同じように脅されているバスケ部のマネージャーの少女が男をラブホテルに誘い出し、いよいよというところでマツジュンたちが押し入って金を脅し取るのが常套手段。明梨がホテルから出てくるのを見つけたのもたまたまではなく、ちょうどそのホテルに「カモ」が来ていたからなのだった。もともとエサ役を務めていた鈴木絵里子という女子マネージャーは耐えかねて既に学校に姿を見せなくなっており、マツジュンたちがその後釜として目を付けたのが、のこのこと狩り場にやってきた明梨だった。

明梨の急激な見た目の変化は、アプリの命令によるものばかりではない。アイスブルーのジェルネイルは確かに昨日スペチャレの指定で始めたものではあったが、髪は先週この体育倉庫でマツジュンたちに強制的にブリーチされたものだったし、ピアスも同じくイカサマーカードに負けて開けさせられたものだ。いずれも「エサ役」にふさわしい見た目にするためのもので、昨晩も明梨は好色そうな中年男をホテルに連れ込む役をやらされたばかりだった。今の明梨は脅されているというよりも彼らの共犯と言っていい立場だ。マツジュンたちに逆らうことはそのまま人生の破滅を意味している。

もう、言いなりになる以外の道など残されていない。明梨は既にスペチャレの命令が来ても無視するようになり、代わりにマツジュンからのLINEを至上命令として、何でも最優先に行動する人形と化していた。



今も明梨は、大貧民でビリになるたびメンバー一人ひとりにキスをさせられたり、目と目をあわせて「先輩、愛してます。明梨を女にしてください」とお願いさせられたりといった恒例の「大貧民王様ゲーム」をさせられていたところだ。

「はい、明梨ちゃんの負けー!大富豪のマツジュンさん、よろしくお願いします!」
「じゃ、明梨ここでフェラして❤」
「うっわマジすか!」
「ちょ、こんなとこでやらないでくださいよ!またこの部屋イカ臭くなるでしょ!」

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後輩が抗議するかしないかのうちに、既にマツジュンはジッパーを下ろし、ビンビンと上を向いた若いペニスを取り出していた。張り詰めたそれでぺちぺちと頬をはたかれた明梨は、憎しみの目線を向けながらもおとなしく口を開け、慣れた様子でずっぷりと奥までくわえ込む。

「オオッ・・・あーいいわ、それそれ♪ ちょっとうまくなってきたな、お前」
「んぐっ・・・うっ・・・うっ・・・うぶっ!・・・けほけほっ・・・」
「おい、歯立てるなよ?もっと音立ててAVみたいにしゃぶれって。昨日教えただろ?」
「・・・はい・・・じゅぷっ・・・❤はぁ・・・うぶっ、ぶっちょぶっちょぶっちょ、ぶちょっ❤ぶっちゅぶっちゅぶっちゅぶっちゅぶっちゅぶっちゅ❤」
「はーいじゃあもう一戦しよか。明梨たん抜きだから場代1万ね」
「あーい。マツジュンさん早く終わらせてくださいよ」

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明梨が「主人」のペニスを口淫している横で、仲間たちは何事もなかったかのようにトランプを再開する。明梨はマツジュンに仕込まれたとおり、舌を限界まで伸ばしてちろちろと鈴口を責めたり、金玉袋をかっぽりと口に含んだりして彼を楽しませていた。まるで風俗嬢のようで、その上達ぶりはいかにこの間、マツジュンが彼女を徹底的に弄んだかということを如実に示していた。やがてマツジュンは「うっ」と声を上げて明梨の可愛らしい顔を精液で汚していく。水をすくうように両手でソレを受け止めながら、明梨は涙を浮かべて耐えていた。

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明梨が体育館のトイレで汚れを落としてきた後も、まだ大貧民は続く。次のゲームでも、明梨はほとんど弱いカードしか配られず、強いカードは片端から大富豪のマツジュンにとられていくいつものパターンが続いた。こんなルールでは勝てるはずもない。でも、「連勝して大富豪になったら自由にしてやる」という希望を持たされている明梨は、何度おもちゃにされてもそのイカサマゲームに挑戦するのだった。

「はい八切り。これ出せる?」
「あっ・・・」
「もちろん出せないよな!ホイあがりー!」
「はい、また明梨ちゃんの負け。大富豪のマツジュンくん、命令どうぞー」
「そうだなー、じゃあ告白ゲームしよか!明梨お前、最初のころは『好きな人に秘密にしてくれるなら言うこときくけど、ばらしたら警察行く』って言ってたよな?」
「は・・・はい。でも、もう・・・」
「あれ瀬尾のことだろ?俺たちと地元で一緒だった」
「ち、ちがっ・・・!やめてください、それだけは・・・」
「そいつ放課後にここ連れてこいよ、クラスにいんだろ?体育館で待ってるね、みたいな感じでよ。大丈夫だいじょーぶ、オレたち何にもしねって!告白するだけ!な!」
「告白するだけ・・・?」
「好きですでもなんでもいいよ、んでそのままの流れでコレ使っちゃえ」

そう言ってマツジュンはバッグの中から筆箱より少し小さいサイズの箱を取り出し、明梨に投げてよこした。「0.02」と書かれたコンドームのパッケージ。青くなる明梨に、マツジュンはにっこりと笑う。

「わかってるよな、トーゼン、告ってオワリとかつまんねえのはナシだから。今日コレ使わなかったら瀬尾ボコボコにするからね❤」
「そんな・・・む、むりです!そんなの、何でも言うこと聞きますからそれだけは・・・!」

必死に抵抗を試みる明梨だったが、次にマツジュンが真顔で「じゃ、俺らにここで輪姦されるのとどっちがいい?」と尋ねたので、それ以上何も言えなくなってしまった。取り巻きたちは「また始まったよマツジュンゲーム」「鬼畜やなぁ」と笑うばかりだ。いつのまにか5時間目の開始を告げるチャイムが、遠くの校舎で鳴り響いていた。

              * * *

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「まことくん。ずっと前から・・・好きでしたっ・・・!」
「えっ・・・」

数時間後。明梨はまことを倉庫に呼び出し、ずっと言えなかった言葉を伝えた。マツジュンたちの思惑はわからないが、どうせどこかにスマホでも仕掛けておいて、自分たちの情事を写真や動画に収めるかするのだろう。瀬尾には申し訳なくて消えてしまいたくなるが、それでも彼らにおもちゃにされるより、好きな人と思いを遂げる方がいい。

「ごめんね、びっくりしたよね急で・・・でも、本当なの」
「び、びっくりしたけど、嬉しいよ・・・・ぼくも明梨のこと、小さいころから好きだったから・・・」
「ほ、本当?あたしこんな髪になっちゃったし、まことくんが好きなタイプじゃないって思って・・・」
「うん、でもね・・・そのう・・・」
「ふふっ。言わないで、ダメだってわかってるから・・・」
「ごめん・・・」
「あのね、あたし・・・まことくんとの思い出が欲しいんだ」
「あ、明梨・・・?あ・・・」

暗くてかび臭いにおいの漂う倉庫で、明梨はまことに寄り添い、自分から唇を重ねた。小柄なまことは、小学校時代も中学校時代も明梨よりも1センチ背が低かった。高校生になった今もそうだ。シミ一つない白いワイシャツとブラウスとがふれあい、まことはスクールバッグを取り落とす。腰を抜かしたように体育マットの上に座り込んだまことの上に覆い被さるようにして、明梨は彼を抱きしめた。

潤んだ視線が交錯する。

「まことくん、あたしとこんなふうになるの、嫌だった?」
「そんなことない・・・う、嬉しいよ・・・で、でも・・・」
「ごめんね・・・今日だけ、あたしのわがまま聞いて・・・」
「ちょっ!ま、待って、今日は・・・」

自分の下半身の方からカチャカチャと音がして、まことはうろたえた。必死で止めようとするが、明梨はハァハァと息を切らせて、まこととの「思い出」を求める。


そして、悲劇の瞬間が訪れた。

「ねえ、いいでしょ・・・❤・・・ほら、ゴムも用意してあるんだ❤」
「ちがうんだ、あの・・・だっ、だめえっ!」
「まことくん・・・❤ ・・・えっ・・・!?」

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明梨の手によってスラックスを下ろされたまことの下半身は、かわいらしいピンクのリボンつきのパンティーと、黒色のストッキングに包まれていた。

「なっ、なにこれ・・・?」
「違う、違うの!これは・・・!ぼっ、ぼくも明梨のこと、ずっと好きだったよ、ほっほんとに・・・」
「まことくん・・・なんでこんな格好してるの?ば、罰ゲームとか・・・?」

百年の恋も冷めたという様子で後ずさりする明梨。そのとき、まことの背後の窓が開いて、マツジュンたちがゲラゲラと笑いながら姿を現した。

「ひゃはっ、いやーこれは予想外だわ!なにあれ、男の娘ってやつ?マツジュン最初から知ってたわけ?」
「知らねえ?駅裏のDREAMってラブホあんだろ、こいつあそこで変態の客取ってるんだよ。ツイッターもやってて『男の娘界』じゃ割と有名人だぜ」
「なんだよマツジュン、お前そんなシュミあったわけ?」
「ちげーよw でもこいつ、本気出したらマジで美少女だぞ。バッグの中見てみ、どうせいろいろ入ってんだろ」
「違う・・・違う・・・!そうだ、こ、これはスペチャレで命令されただけで・・・!」
「いやーその言い訳はきかないっしょw なにこれ、女子の制服とカツラと・・・バイブとローション?風俗嬢のカバンじゃねーんだぞ・・・っておいおい、女子のパンプスまであるじゃん」

幼なじみの前で次々に明らかにされる秘密。まことは恥ずかしさのあまり涙を浮かべた。明梨はまだ信じられないといった様子でいたが、マツジュンの後輩にYシャツを脱がされたまことが下着とおそろいの桜色のブラジャーをしているのを見て、心底軽蔑した表情を浮かべた。まことはマツジュンたちに「ほら、せっかくだから着てみろよ」と小突かれ、半泣きになりながら女子の制服に着替えていく。

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「こ・・・これでいい・・・ですか・・・?」
「うわ、これ完璧じゃねえ!?はんぱねー!」
「うーわ。言葉ねえわ。完全に女子やん」
「ほら、スカートめくって見せてみ?チンポ勃ってるかみてやるよ」

服を着替えただけで、まことは完全に女子生徒の容貌になる。涙を浮かべ、自らゆっくりとスカートをめくるまことの色っぽい姿に、生唾を飲み込むものすらいた。あらわになった秘部がかすかに膨らんでいるのを見たマツジュンたちがヒューヒューとはやしたてる中、明梨は呆然として思い人の無様な姿を眺めるばかりだ。

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ウイッグを身につけると、なおさらまことの可愛らしさは増し、男たちの下卑た盛り上がりは最高潮を迎えた。その様子はもちろん、彼らのスマホで動画および静止画として永遠に記録されている。バスケ部の「奴隷」が新たに一人増えた瞬間だった。

「さ~て、お待ちかねの恋人セックスタイムのお時間でぇーす!」
「さ、明梨ちゃんこいつとSEXしよか❤ 大丈夫、ここでちゃんと見ててあげるって!好きだったんだろ、こいつのこと❤」
「あ、明梨ちゃん・・・その、ぼくは・・・」
「何も言わないで・・・お願いだから・・・。もうあたし、この人たちの言うこと聞くしかないんだよ・・・」

明梨はスカートをめくったままのまことの前に進み、しゃがみこんだ。自分とほとんど変わらない細さの足。強烈な違和感を感じながら、明梨は慣れた手つきでストッキングとパンティーを下ろす。マツジュンの巨根を見慣れていた彼女は、そのパンティーからのぞいたペニスが子供のようなサイズだったことに驚きを隠せなかった。

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「えっ・・・これ・・・」
「うわ、こいつのちっさくね!?」
「チンポっていうよりクリちゃんじゃんw お前、これで勃ってる状態なん?」
「そ、その・・・。あっ・・・❤」

明梨が何も言わずにペニスをくわえこんだので、まことはスカートをめくった格好のまま恍惚の声をあげてしまう。彼ははあはあと肩をふるわせて感じているが、明梨は全く別のことを考えていた。

(先輩のと、全然違う・・・これがまことくんのおちんちん・・・?)

半分ほどくわえ込めばすぐに喉に先端がつかえてしまうマツジュンの持ち物とはまったく違い、まるで自分の親指をしゃぶっているような感覚だ。明梨はまだ勃起していないのかと勘違いし、マツジュンに教えられたとおり必死に舌を這わせてまことを楽しませようとするが、悲しいことにまことのそれは既に限界まで膨らんだ状態であった。

「ぷはっ・・・まことくん、だいじょうぶだよ、いまあたしが大きくしてあげるから」

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明梨はなおも激しく首を振って勃起させようとするが、それを試みる前に「あんっ❤」と少女のような声を漏らしてまことは射精してしまった。明梨の口の中にはき出されたのは、精液というにはまるで雄々しさのかけらもない、こさじ一杯ほどの可愛らしい白濁だった。

「う、うそっ。もうイっちゃったの・・・?いやっ、もう一回勃たせてよ!ねえ、そうしなくちゃあたしたち・・・!」

マツジュンの折檻におびえて懇願する明梨だったが、まことは犯されたばかりの女子生徒のように弱々しくうなだれるばかり。

「おー、SEXしなきゃこの写真、明日教員室前の掲示板に張り出されちゃうぜw」
「やべえじゃん、二人のヒミツが全校生徒にばれちゃうよーw」
「オレのプレゼントしたゴム、無駄にしないよなぁ?明梨はそんな悪い子じゃないもんなー」

はやしたてる不良たちに囲まれながら、明梨は幼なじみのペニスを何度もしごき立て、キスをし、なんとか勃起を取り戻そうとする。「おい、ちゃんと勃起させなきゃオレので明梨ちゃんを犯しちゃうぜ」とマツジュンが笑い、明梨の背後でジッパーを下ろした。中から剛直がボロンと現れると、まことの目が潤んで釘付けになるのが明梨にも分かった。

「ま、まことくん・・・」
「うわっ、こいつマツジュンのチンポに反応してる!マジでビッチじゃね?」
「ほらほら、オレのチンポすげえだろ?愛しの明梨ちゃんのおまんこまであと20cm❤ 早く先に入れないと負けちゃうよ~」
「あ、明梨ちゃん、これは違う、違うの・・・!」
「女言葉になってるしw いやーなりきってんね」

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明梨は無言で立ち上がると、意を決したようにパンツを脱ぎ、スカートを履いたまま思い人・・・いや、かつての思い人の上にまたがった。女子生徒の制服を身に纏った栗色のロングヘアのこの女の子が、自分の憧れの人だったなんて今では信じられない。でも、その顔だけは自分の大好きなまことくんのままだ。

「まことくん・・・ほんとに、ほんとに好きだったよ。・・・ごめんね」
「明梨ちゃん・・・」
「・・・ううん、違う、そこじゃなくて・・・ほら、こっちだよ・・・」
「ううっ、は、入る・・・」

二本の指ではさんだまことのペニスを、明梨は自分のナカへと導いた。明梨の唾液と自分の精液で濡れたペニスはなんの抵抗もなく挿入されていく。明梨は騎乗位のかっこうでゆっくりと腰を動かしてピストンを始めようとしたが、少しでも腰を上げるとあっという間に抜けてしまうので、仕方なく円を描くような腰使いでSEXを始めた。

「うわ、なんかレズもののAVみたいっすねこれ」
「あーこれいいわ、めっちゃいい動画撮れてるw DMMとかで売れるんじゃね、これ」
「明梨ちゃーん、恋人の初チンポはどう?」
「き、気持ちいい・・・です」
「おいおい嘘つくなよ、毎日ブチこまれてるマツジュン先輩の大砲に比べたら小指サイズじゃんw」
「・・・」
「えっ・・・明梨ちゃん、まさか・・・う、うそだよね?」

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何の遠慮もなく明かされた事実にまことは驚愕の表情を浮かべる。しかし、明梨はそれに謝るでも否定するでもなく、どこか冷めた表情を浮かべていた。ずっと片思いを続けていたあこがれの人。いまその人と体がつながって思うことは、ただただ空虚と憐憫ばかりだった。ぬるぬると腰を動かしても、まったく膣内に快感を感じない。むしろ、主人として君臨してきたマツジュンのペニスの形状ばかりが思い出されるのだ。体はまこととSEXをしながらも、心が求めているのは膣をかき乱してくれるマツジュンのペニス。味わっても味わっても植えるばかりの性欲に明梨は耐えきれず、マツジュンの目を見つめた。

「せ、せんぱい・・・あたし・・・」
「明梨。わかってる。もう我慢しなくていいぞ」
「うん・・・先輩のじゃなきゃ、気持ちよくなれないの・・・」
「いいよ、ほら、いつもみたいにケツ向けな」
「はい・・・❤」
「うう、あ、明梨ちゃん・・・」

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明梨がわずかに腰を浮かすと、まことのペニスはだらしなく膣から抜け、ピクピクとふるえながら二度目の白濁液を漏れ出させた。明梨は哀れみの視線を向けたあと、本来の主人に向けて腰を突き出し、おまんこの使用権を明け渡す。マツジュンは何も言わずにズブリとバックで明梨に挿入し、荒々しいピストンを始めるのだった。

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「あはああああああああ~ん❤❤ 太、太い❤」
「オラッ!これだろ、これが欲しかったんだろ!?オラオラオラッ!」
「うんっ❤ これ、これが欲しかったのおっ❤ いやあああんっ、ごつごつして、太くて、気持ちいい先輩のおチンポ❤ これがないと明梨、もうだめなのおっ❤❤」

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「せんぱいっ、キス、キスしてえっ❤」

バックで突かれていた明梨は振り返ってマツジュンと唇を重ね、舌をからめあわせて唾液を交換する。駅弁スタイルに体位を変え、なおも荒々しいSEXが続けられた。その横では、熊坂という筋肉質でモヒカン頭の部員が「お、おれ、こいつで遊んでいいかな」と言い出し、半泣きでくずおれているまことに無理矢理チンポをしゃぶらせはじめた。

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「うわっ、こいつめっちゃフェラうまいわ・・・お前、ホモの客とってるってマジか?」
「じゅるっ、うぶっ、は、はい・・・❤ ネットで知り合った人と待ち合わせして・・・ホテル代別1万円で・・・」
「じゃあケツも開発済み?オレとセックスしようぜ、なあ」
「・・・はい・・・❤」

まことが190センチ近い熊坂とキスを交わし、互いにペニスをまさぐりあっているのを明梨は心底軽蔑した様子で一瞥したが、すぐに何もかも忘れてマツジュンとのSEXに没頭する。まことは自ら口を使って熊坂のペニスにゴムを装着させ、ローションまでまぶしてやると、いつもホテルでしているように「まこのおまんこでたっぷり射精してください・・・❤」とおねだりをする。華奢な肩の抱き心地も、香水の香りも女子生徒と何も変わらない。熊坂は全くゲイの気はなかったが、その色気に当てられて獣のようにまことに襲いかかった。

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「あうっ❤あうっ❤ 明梨は何でも言うことをきくおまんこ奴隷ですっ!なんでもご主人様の言うことに従いますっ❤」
「ああん、まこ、まこのことも奴隷にしてください❤ お願い、明梨ちゃんと一緒にザーメン便器にして、毎日犯してえっ❤いやああんっ❤」

二つ並んだ跳び箱に覆い被さるようにして、同時にバックで犯される明梨とまこと。全く同じ制服を身に纏った二人の「女子生徒」は、それぞれ支配を哀願しながら腰を振って男たちを楽しませていた。マゾ性を開花させられ、ただのペットとなった二人は、やがてたっぷりと射精されて嬌声を上げる。恋人同士になるはずだった二人の喘ぎ声が、美しいハーモニーを奏でた。そのとき、倉庫の端に放置されていた明梨のスマホに「スペードクイーンチャレンジ失敗 ― 今日のチャレンジ『好きな人と手をつなぐ』の達成が報告されませんでした。またの挑戦をお待ちしています」と表示が流れたが、それに気づくものは誰もいなかった。

(了)

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