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【前半無料公開】AI術師が陥るシャドウバン問題 7年ぶり解除までにやった10の対策

最終更新:2023/04/08 13:24 │ AIイラスト | コメント(0)
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【FANBOX向け記事ですが、このブログでは前半までを無料公開しています】

皆様こんにちは、スタジオ真榊です。今回は多くのAI術師さんたちを悩ませている、ツイッターの「シャドウバン」についての記事です。

スタジオ真榊のアカウントはAIイラストが生まれるずっと前から成人向けの活動を続けてきたので、開設した7年前からずっと検索に引っかからない状態だったのですが、いろいろと対策を講じた結果、無事解除されて検索にヒットするようになりました。当初は解除されたり、また見えなくなったりの繰り返しでしたが、3月中旬以降は常に検索にヒットする状態になっています。


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シャドウバンが解除されるかどうかはAIイラストアカウントにとっては死活問題。普段通りの投稿ができなくなってしまったり、ツイッターから離れてしまったりした方をよくお見かけします。もちろん「こうすれば確実に解除できる」とまでは言えないのですが、「いつごろからどういった方策を講じ、どれくらいの期間を置いてどのように解除されたのか」を報告することはそれなりに有益かと考え、AI術師がシャドウバンされがちな理由の考察と合わせて記事にすることにしました。


「18禁イラストを投稿しているわけではないのにシャドウバン状態になってしまった」というAIユーザーさんにとって、この記事が何かの参考になれば幸いです。


目次
 - シャドウバンとは
 - ツイッター側の主張
 - シャドウバンの種類
 - 日本におけるシャドウバンの実態と疑問
 - AIイラストレーターに起きている現象
 - 日本版シャドウバンの理由推測
 - AIイラストレーターが対象になるのはなぜ?
 - 「肌色BANなど存在しない」という反証
 - シャドウバン解除のために試した10の対策
 - 3月3日に突然解除
 - 終わりに



ハニカム  ハニカム

シャドウバンとは

ツイッターにおける「シャドウバン」は、さまざまな方法でツイートが目に入りにくくなる制限措置のことです。一般に「Ghost Ban」「Search ban」「Suggestion Ban」「Reply deboosting」の4種類があるとされ、ツイートが他のユーザーから見えなくなったり、検索画面に表示されなくなったりします。短期間の場合もあれば、長期間にわたることもあり、具体的判断基準や期間の目安は明らかにされていません。
アカウントの凍結と違ってやっかいなのが、自分からは検索できるのでシャドウバンされていることに気付きづらく、原因になった行為も特定しづらいということ。特に検索やハッシュタグからの流入がなくなると、いいねやリプライの数が減ってしまうので、シャドウバンは活動のモチベーション低下に繋がってしまいます。

ツイッター側の主張

ツイッター社はこちらの記事で、「シャドウバンなんてしてない。確かに検索では見えないけどフォローしてプロフ欄に直接飛べば全部のツイートが見られるのだから、これはシャドウバンじゃない」(意訳)というトンデモ理論で反論しているのですが、要するに「ツイートと検索結果をランク付けしている」ことは認めています。




さらに、ランク付けではない検索からの「除外」についても認めています。


「検索結果の質を保つために、一部のツイートやアカウントが検索結果から除外されることがあります。また検索の質を下げたり、他の利用者が検索したときに不快な思いをさせたりするツイートやアカウントは、自動的にTwitter検索から除外される場合があります」とのこと。

確かに、何かの拍子で未成年のTwitter検索画面に無修正のエロ動画が流れてきたら大変ですから、そうしたアカウントやツイートは自動的に引っかからないようにする、というゾーニングの仕組みは必要だと思います。ただ、その基準やペナルティ内容、シャドウバンになった原因の告知、誤検知の場合の解除方法などをはっきりしてもらわないと、ユーザー側としてはどう振る舞ったらいいのか分からなくなってしまいますよね。

シャドウバンの種類

ツイッター側の主張はさておき、シャドウバンを食らうとどうなるのか、の話に移りましょう。
シャドウバンにはいくつかの種類があります。通説とされているのは下記の四種ですね。ただ、特にAIイラストアカウントが食らっているBANは、これらの通説とは少し異なる現象を引き起こしているので、この記事では体感に基づいた考察を行っていきます。

・Suggestion ban(検索候補BAN)
Search suggestion banとも。検索表示における優先順位が下げられ、ツイート内容が不適切(センシティブ)コンテンツと認定されます。設定画面で「センシティブな内容を含むものを表示する」にチェックを入れたアカウント以外はツイートが見えなくなります。

・Search ban(検索BAN)
検索結果に一切表示されなくなります。フォロワーや「センシティブな内容を含むものを表示する」と設定しているアカウントからも検索にヒットしなくなるので、ハッシュタグを使う意味がなくなります。

・Ghost ban(ゴーストBAN)
凍結状態を除けば、最も重いBAN。自身のリプライが送信相手や自分以外の第三者から見えなくなります。長期間続くことはあまりなく、攻撃的な投稿やbotめいた反復的行動を取った場合に短期間課されることが多い模様。

・Reply deboosting(リプライ抑制)
リプライがすぐ表示されず、「さらに返信を表示する(攻撃的な内容を含む可能性のある返信も表示する)」というタブをタップしないと読めなくなります。シャドウバンだけでなく、ブロックされることが多いアカウントや、攻撃的なリプライを多く送っているアカウント、報告(通報)を多くされているアカウントがこの状態に陥りやすいとされています。
日本におけるシャドウバンの実態と疑問
自分がシャドウバンになっているかどうかは「シャドウバンチェッカー」と呼ばれるサービスを使えば確認できます。下記のサイトがよく知られています。




ただ、2023年2~3月ごろから、利用するサイトによって明らかに結果が異なる現象が発生していました。ご存じの通りツイッター社のガバナンスが揺らいでいることと関係があると思われますが、シャドウバン状態であってもオールグリーン(問題なし)と表示されることもあるので、注意が必要です。前述の通り、日本におけるシャドウバンはこの4類型と異なる形式で運用されていると感じられる部分があるため、現時点ではあまり参考にしない方がよいでしょう。


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▲2016年~2023年1月までの公式アカウントはほぼこの状態

ここからは体感の話に移ります。さきほどの4類型とは別に、特にAIイラスト界隈では「チェッカーではSuggestion banとだけ表示されるのに、自分以外のアカウントからはツイートが一切検索結果に引っかからず、センシティブ表示にチェックを入れても表示されない」という現象がよく観測されています(アカウントによってはSearchBanとダブル表示されることもあるようですが、実質は同じ)。スタジオ真榊のアカウントでフォローしているAI関連アカウントを無差別に調査したところ、AIイラストレーターさんたちが陥っているシャドウバンは、この状態であることがほとんどでした。

また、「検索に引っかからない」度合いにもレベルがあり、「@から始まるIDを入れると見られるが、それ以外の方法ではツイートがヒットしない」パターンや「IDを入れても一切ヒットしない」というパターンが確認できたほか、そのアカウントの画像ツイートの一部または全てに「センシティブな内容が含まれている可能性のあるメディアです」と書かれたフィルターが自動でかかってしまうケースもあります。さらに重いものでは、設定画面の「あなたがツイートする画像/動画はセンシティブな内容を含むものとして設定する」という項目が自動でオンになり、オフにできなくなったという報告も確認されています。

こうした現象はさきほどの「シャドウバン4類型」では説明できないため、より実態に即した対策を練らなくてはなりません。

AIイラストレーターに起きている現象

AIイラストレーターがシャドウバンを課される場合、下記のような現象が起こることが多いようです。

・自分のツイートは検索できるのに、別のアカウントから@から始まるアカウントIDをツイッター検索しても、「話題」「最新」「画像」「動画」欄に過去のツイートが一切ヒットしない。
・検索画面の「ユーザー」欄にも表示されないが、設定欄から「センシティブな内容を含むものを表示する」にチェックを入れていた場合、ユーザー欄にだけは表示される。
・設定から国籍を「台湾」など海外にしたアカウントから同じことを試すと、全ての欄に過去のツイートが全て表示される。※「センシティブな内容を含むものを表示する」にチェックを入れていなくても見える

本稿では、チェッカーによる診断結果によらず、これらがそろった状態を便宜上「日本版SearchBan」と呼ぶことにします。もともと避難用に作った「スタジオ真榊運営アカウント」は現在その状態なので、興味のある方は「@ntrsakaki」で検索するなどして試してみて下さい。


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日本版シャドウバンの理由推測

前提が長くなりましたが、ここからが本題です。なぜ、AIイラストレーターのアカウントはこの「日本版SearchBan」に陥ることが多いのでしょうか。

シャドウバンは一般的に、ツイッターの利用規約に違反しているユーザーが対象になるとされています。スパム行為や不適切なコンテンツを投稿したり、自動生成ツイートを行ったりした場合のほか、ツイートやいいね、フォローなどの頻度が高すぎる場合もシャドウバンの対象となることがあります。Twitterヘルプセンターによると、下記のような行為が「してはならない行為」として列挙されています。

・内容が同じまたは似ているリンクやツイートを繰り返し投稿する。
・特定のトレンドトピックやハッシュタグ(#記号の付いたキーワード)を乱用する。
・ツイートや返信の送信を自動化する。
・ボットやアプリケーションを使って特定のキーワードで構成された似たような文章を投稿する。
・複数のアカウントで同じような文章を投稿する。
・フォローとフォロー解除を過剰に行う。

日本版SearchBanにおいて興味深いのは、「日本国籍のアカウントからのみ隠される」ことと、「センシティブ閲覧設定にするとユーザー欄にだけは表示される」ことです。もしかするとどの国でもシャドウバンはこのような仕様(影響範囲が同国籍のみ)なのかもしれませんが、なぜ全ユーザーから見えなくするのではなく、日本国籍のアカウントだけなのかをとりあえず考えてみましょう。

日本と海外のセンシティブコンテンツの扱いの違いといえば、まず思い浮かぶのが「わいせつ物」をめぐる法律の違い。日本では性器があらわになった画像や動画をウェブ上に投稿した場合、たとえ投稿先が海外サーバーであったとしても、わいせつ物頒布等罪(刑法第175条)などに該当します。

ツイッター側が「日本でのみ表示されない」設定のシャドウバンを作ったのは、これが理由ではないか?という仮説を立ててみましょう。つまり、「日本において無修正のnsfw画像を投稿している可能性があるアカウントは、海外のユーザーが閲覧する分には構わないけれども、日本では犯罪だそうだから、日本国籍のユーザーからは検索にも引っかからないようにしておこうね」「ツイッター社が犯罪のほう助をしていることになっちゃうかもしれないしね」というのが、日本版SearchBanの主な目的ではないか、という推測です。

AIイラストレーターが対象になるのはなぜ?



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