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【第27章】終わる世界③

最終更新:2010/06/04 00:05 │ 【小説】工藤夫婦の堕落 | コメント(0)

【第27章】終わる世界?

 

 

 「あー今日は外暑かったですー。お客さん、あたし指名してくれたの初めてですよね?こういうお店、よくいらっしゃるんですかー?」

 

咲希は固まっている僕を無視して室内にあがりこみ、持っていたブランドもののバッグをテーブルに置いた。ぱたぱたと汗ばんだ体をあおぎ、にこにこと笑う。その笑顔は家でぼくと過ごしていたころと何もかわらないというのに、その体は以前とは全く異なり、男の性欲を処理するためだけに存在するとしか言いようのない、あさましい姿になっているのだ。僕に断りもせずにバッグから煙草を取り出し、慣れた手つきで火を付けた咲希の前で、僕はがっくりと肩を落とした。


ハニカム  ハニカム

 

「咲希・・・なんで、いつからこんなことに・・・」

 

咲希はベッド脇のチェアに腰掛けて、何を考えているのかわからない目つきでこちらを眺めている。煙草の煙を肺に入れてしばし目を細め、ふーっと白い煙を吐き出すと、不意にくすくすと笑った。

 

「えー、何言ってるかわかんないですぅ。さくら頭悪いんですよねー」


 「咲希・・・」


 
 「それよりお客さん、70分コースでオプションはなしでよかったんですよね。時間もったいないから、先にシャワー浴びちゃいましょうよー」

 

咲希は一服しかしていない煙草を灰皿に押し消すと、僕の手をとってバスルームへと先導した。夫である僕のことを全く知らないかのように振る舞う咲希に、僕は強烈なショックを覚えた。咲希が歩くたび、ゆさゆさとその不自然な巨乳が揺れる。ブラウスはもうパンパンになっており、今にも乳首がこぼれでそうだ。ぼくはそのいやらしさにごくりと生唾を飲んだが、この女性が自分の妻であることを忘れかけている自分に恐ろしさを感じて、すぐにその手をふりほどいた。

 

「・・・待てよ!お前、咲希だろ!?なんで、なんでこんなところにいるんだよっ!」

 

ぼくは激高した。一縷の望みは絶たれたのだ。肩を震わせる僕を見て、咲希は突然それまでの営業スマイルをやめ、無表情になって小さくため息をついた。豪奢な金髪を右手でかき上げると、先ほどとは打って変わった冷たい瞳で、ぼくを軽蔑するようににらみつけた。

 

「・・・はぁ。翔太さんってほんとに馬鹿よね。あのブログで、あたしがここで働き始めたの知ったんでしょ?だからいてもたってもいられなくなって、なけなしのお金握りしめて、あたしのえっちな体でたっぷりザーメン抜いて貰いに来たんでしょ?ブログ読んでは毎日指名で殺到してくる他のお客さんみたいにさあ」

 

以前は決してしなかった、語尾を伸ばす下品なしゃべり方。あけすけで、あっけらかんとした口調。スカートは超ローライズで異常に短く、ヘソにまでピアスをしているのがちらちらと見える。これが、僕の愛した清楚な咲希だというのか。


 

「本当に・・・風俗で働いているのか・・・」

 

「ほんとに覚えてないの?すごいねー、あのクスリ。あれだけあたしたちの靴の裏とかべろべろ舐めてさ、倉田さんにも『妻を立派なチンポで犯して下さいお願いしますう』って毎日お願いして、メイド服着てケツマンコでオナニーしまくってたのに。ほんとに覚えてないんだ」

 

「えっ・・・」

 

「ブログで見たでしょ?自分の写真。あなた、もう全国の変態の間ですっごい有名人なのよ。二丁目とか歩いたらすぐホモに襲われて、路地裏で犯されまくるよ。きっと」

 

咲希はそう言って、くすくすと笑った。

 

「・・・咲希、どうしてこんなことになっちゃったんだよ・・・」

 

「はぁ?あんたが役立たずの粗チンなのがいけないんでしょ。あんたなんかに処女やって、結婚までしたあたしが馬鹿だったけどさ。まあチンポだけは修一さんにおっきくしてもらったみたいだけど・・・あはっ、もうセックスできないね?そのチンポじゃ。おしっこもまだダダ漏れなんでしょ?」

 

そう言うと咲希は急に僕との距離を縮めて、ズボンの上からいやらしい手つきでチンポをまさぐった。

 

「あはっ、今日もおむつしてるんだよね。翔子ちゃんはあんなにプリキュアのおむつ気に入ってたのにな。XXLサイズのやつをわざわざ大人買いまでしてあげたのに、忘れちゃうなんて。お姉さん悲しいよぉ」

 

「な、何を・・・」

 

「ふふっ。で、どうすんの?時間どんどん過ぎてるけど。あたしSもMも両方できるけど、どっちにする?まあ、あんたなら決まってるよね」

 

急にドン、と胸元を押されてぼくはよろめいた。ベッドに尻餅をつくと、咲希が組み伏せるかのようにして上にのしかかってくる。無様にあおむけに倒れた僕を見下ろして、咲希は突然、素足でぼくの股間を踏みつけにした。

 

「ほら、素直に言いなさいよ変態。もうどうでもいいでしょ?あたしのことなんかさ。もうおっぱいも手術2回してこーんなになっちゃったし。見える?あたしのおっぱいピアス。ネット上でもあたしのおまんこ見てる人、何万人もいるんだよ?ここのクラブでも毎日最低4人は客取ってるしさ」

 

咲希はにこっと笑うと、短いスカートをゆっくりとめくりあげた。ブログで知ってはいたが、咲希はやはり今日も下着を身につけていなかった。本来そこにあるべき、うっすらとした女性の茂みすらもない。僕の股間をぐりぐりと踏みつける咲希の足。視線を上にあげていくと、そこにはいやらしく変色し、ピアスがいくつもつけられた女性器が露わにされていた。それは、僕が愛した咲希の慎ましやかな花弁とは似ても似つかない、何人もの男の性処理道具にされた、淫らな「便器」だった。

 

「・・・っ!」

 

「ほら、あなたの婚約指輪、ここにちゃんとついてるよ♪毎日色んな人のザーメンで汚れて、なんか色変わっちゃった気がするけどね。ほら、もう15分経っちゃったよ?するの?しないの?」

 

「・・・」

 

「サービス時間減らすとさ、すぐ時短だとか言ってあとでマネージャーに怒られるから。するなら早く決めてよ。あなたっていっつもそうよね。決めるのが人より何段階も遅くて、気付いたときには取り残されてるの。どうせ「手コキ+アナル調教」の70分コースでいいんでしょ?あんたの財布なんてそれで限界よね、あたし高いからさ」

 

「咲希・・・」

 

「たっぷりザーメンたまってるんでしょお?ほら、お願いしますって言いなよ・・・。ほら、早く言えよっ!変態!『さくら様、翔子のケツ便器を今日も一杯調教して、立派な精液便所にして下さい』っておねだりするんでしょ!じゃないとチンポの鍵外してあげないよ?」

 

ペッ!と咲希は僕の顔に唾を吐きかけた。右ほほにべちゃりと貼り付いたそれが、つーっと唇のあたりにまで落ちてくる。その瞬間、僕の脳裏に、出会ったばかりのころの純真だった咲希の笑顔がフラッシュバックした。初めてキスをしたのはもう何年前になるのか。人生初めてのデートで、手を繋ぐのも恥ずかしがった咲希。美しいウェディングドレス姿で、僕との永遠の愛を誓ってくれた咲希。清楚で優しくて、絶対に人の悪口を言わなかったあの咲希が、いまこんな雌豚のような体に変身して、ラブホテルの一室で僕の股間を踏みにじっている。僕は倒錯した思いの中、僕の人生全てがどうでもよくなっていくのを感じていた。

 

咲希がバッグから小さなキーを取り出す。ピンクのハートのキーホルダーがついたそれが、きっと僕の欲望を解放してくれる「鍵」なのだろう。口の中がねばつき、言葉がうまく出ない。僕はすぐにいてもたってもいられなくなり、かつて愛した妻にひざまづいて、恥も外聞も無く、みじめなおねだりをしていたのだった。


 

        * * *


 

「あんっ、あんっ、あんっ!なにこれっ、すごい気持ちいいよ、咲希っ!ああっ、やんっ、やんっ!」

「ほらお客さん、咲希じゃないでしょう?ちゃんとおねだりできないと犯してあげないですよ?」

「ああっ、さくら女王様、ネットアイドルのさくら様にセックスして頂けて、翔子はとっても幸せですうっ!」

「よく言えたねー♪ほらほら、もっとケツを使ってチンポにご奉仕するんだよっ!」

「あんあん、やんっ!もっと、もっとほじって!役立たずのチンポがぴゅーぴゅーするまで、寝取られ夫のアソコをズンズンして下さい!」

 

僕は四つん這いになり、咲希にペニスバンドを使ってバックから突きまくられていた。思いもしないような卑猥でみじめな台詞が口をついて出てくるのに、僕はもう驚きすら感じない。無様な逆セックスが終わると、僕は床に土下座し、さくら様のおみ足を押し頂くかのようにしてベロベロと舌できれいにするのだった。

 

「いい子にできたから、ご褒美におチンポの貞操帯外してあげようね」

「ああっ、さくら様・・・ありがとうございます・・・」

 

 カチャリ。爪を割るほど力を入れても外れなかった僕の貞操帯が、さくら様の手によって小さな音をたてて外される。ビンビンになったチンポが圧力から解放され、勢いよく天を向いた。ぴくぴくと痙攣するそれは、洪水のように先走り汁を吐き出している。

 

「ああ、さくら様・・・さくら様とエッチしたいです・・・昔みたいに、いっぱいエッチを・・・」


「だーめ。あなたはもう一生あたしとセックスしないって契約したでしょ?グズはすぐ忘れるから困るわね。焦らなくても、すぐ気持ちよくしてあげるからね・・・」

 

さくら様はそういって、僕の股間の巨棒にゆっくりと顔を近づけていった。淫らなピンク色の舌をべろっとのばし、あと数センチで触れそうなところで、チロチロと蠱惑的に揺らす。いやらしい笑顔をした咲希に、チンポ全体にふーっと息を吹きかけられて、僕はそれだけでイキそうになってしまった。

 

「ああ・・・フェラを、おしゃぶりをお願いいたします・・・」
「んーふふふ、どうしようかな。『ぼくは一生さくら様と倉田様の奴隷です』って言ってごらん?『ですからみじめな寝取られ夫に射精をお許し下さい』って」

「・・・ぼ、ぼくは一生、美しいさくら様と倉田ご主人様の奴隷でございます。妻を奪われて興奮しているみじめな寝取られ夫に、恥ずかしいミルクを一杯出させて下さいませ・・・」

「うふっ、よくできたね。ご褒美だ・・・よッ!」

 

ビンッ!

 

「あおっ、あああああッッ!」

 

 

ドビュッ!ビュルビュルビュルウウウウウウッ!ピュッ!ピュウ~ッ!

 

「あはっ!あはははははっ!チンポデコピンされただけで、派手にイっちゃったね!せっかく大金払ったのに、みじめ~!恥ずかし~!」

「あ、ああ・・・あああああ・・・」

「これでサービスはおしまいね。うわ、ここまでザーメン飛んでるよ、すっごい汚―い。じゃ、後片付けは自分でなさってくださいね、お客様?」

「ああっ、さくら様・・・待って下さい、前のように翔子を奴隷にしてください!倉田様のマンションでペットとして飼って下さいっ!」

「そうねえ・・・ちゃんと床がきれいにできたら、特別にあたしから頼んであげてもいいよ。でも、わかってるよね?」

「はいっ、お二人のご命令は何でも聞きます!自分で汚した床はきれいにさせていただきます!」

僕はさくら様の足下に無様にひれ伏すと、カーペットを汚した大量のザーメンを、ずるずると音をたててすすった。

 

「ずるっ、ちゅるるる、ああ、さくら様・・・ぼくをザーメン掃除でも、小間使いでも、どんな雑用にでもお使いください。お二人の変態メイドとして永久にお仕えいたしますから・・・!」

「そうだよね。・・・ほら、もっとちゃんと舌を伸ばして舐めなさい。あんたの発射した汚らしいのがあたしの足にも飛んでるわよ?・・・ちゃんと昼間は働いて、あたしたちに調教のお礼金を入れるよね?修一さんが掃除夫の仕事くれるって言ってたよ」

「ぴちゃ、ぴちゃ・・・ベロベロ・・・はい、わたしの少ない財産は全てお二人のものです。工藤翔太の人生は、既に終わりました・・・」

「いい子ね。もう一回ケツ犯して欲しい?」

「はいっ!翔子のおまんこを一杯ホジホジしてください!」

「あっはは、でもダーメ。もう時間だから。2万4000円だけど、おつりはいらないよね?」

咲希は床に落ちていた僕のズボンから財布を取り出し、中から当たり前のように3万円を抜き取った。

 

「ああっ、延長、延長はして頂けませんか・・・」

「だめですよ、お客さん。さくらはこのあとも指名たくさん入ってるんだから。またさくらに一杯して欲しかったら、頑張ってお金ためてまた指名しなさいね」

「ああ・・・咲希、待って・・・」

「咲希じゃないでしょ?それじゃ、あたし帰るから。後始末は自分でしといてね。あと、これ倉田さんと、あたしの仕事用ケータイの番号だから」

 

全裸で息をつく僕の胸元に、ひらひらとメモ紙が落ちる。090で始まる、2つの電話番号がそこには書かれていた。

 

「あんたの家、もう倉田さんの名義になってるからさ。転売するらしいから、早く引き払ってね。最低限の荷物だけ持ってマンション行けば、また飼ってもらえると思うよ。あたしもお金稼がないと修一さんがセックスしてくれないから、最近忙しいの。昔はいろいろ買ってくれたのに、いまは他の女に夢中でさあ。あたしももうずっと貢ぎまくりなんだ。いまは毎月100万円くらい稼いでるんだよ?すごいでしょ」

 

「ああ・・・待って、待ってください・・・待って・・・」

 

「・・・チッ、離してくれない?いい加減キモいんだよっ!」

 

咲希はすがりつく僕の足をヒールで蹴りつけた。

 

「じゃ、あたし忙しいからさ。またご指名くださいね、お客さん♪」

 

ガチャリ。

 

そう言い残して、咲希は部屋を出て行った。

 

 

 





(・・・あああ・・・)



僕は一人取り残され、全裸のまま無様に呆けていた。咲希は部屋を去る前に、僕の股間に鍵を掛けていくのを忘れなかった。射精の快感で動けなくなっているあいだに、あの忌まわしい金属が再びカチリと僕の陰茎に装着されていた。

 

(・・・ああああああああああ・・・)


 

(全部だめになったよ・・・ 僕の人生は、もうだめになったんだ・・・)

 



「あはっ、あはははははっ!うひっ!」




 

(僕の大切な咲希が、ビッチの変態女にされて・・・ネットで有名な風俗嬢になってるって?)

 


(夫の僕にはもう絶対にセックスさせてもらえないのに、咲希はどんな汚い男にも売春して、毎日股を開いてるんだって?)

 



「あひゃひゃひゃひゃひゃっ、うはっ、うひっ!」



 

僕の精神は限界に達した。

 


 いつまでも笑い続けた。


 

風俗で働く妻に3万円も払って、ケツを掘られて、手コキすらしてもらえずに、デコピンでみじめに射精して。自分で自分のザーメンまで舐めさせられて。・・・咲希のあの、汚いものを見るような冷徹な目・・・。軽蔑されて喜んでいる僕は、本物の変態だな…。うひ、うひひ。

 

 

ああ、あのゆさゆさした大きなおっぱい。僕のリングをはめたおまんこも、乳首のピアスも、すごく魅力的だ。早くお金をためて、咲希様にまた可愛がってもらいたい。今度はもっと気持ちよく射精させて頂けるかな?

 


 僕はすべてをあきらめた。工藤翔太の人生なんて、もうとっくに終わっていたんだ。そう考えれば、咲希がもう僕のものでないのは当然のことだ。さくら様とご主人様に飼っていただかなくては、家も財産も失ったぼくはこれから生きていくことすらできない。それでいいんだ。警察や法律に訴えるなんて、面倒なことはもうどうでもよかった。ああ、早く倉田様にお電話をしなければ。たくさん仕事をしてお金を稼いで、いつか咲希様にぐぽぐぽフェラをしてもらえたらいいな。うひひひっ!


 

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