男A「なるほど・・・そのころから、いまの性癖に目覚めたということですね」
男B「そう言っていいのかどうかわかりませんけど・・・自分の中にそういう気持ちというのか、Mっ気みたいなものがあると気づき始めたのがそのころでした」
A「奥様の言うことにはどうしても逆らえない?」
B「というより、逆らいたくない、というほうが正しい気がします。妻の部下だったころから、彼女に命令されるだけで軽く勃起してしまうくらいでしたから・・・自分の浮気がきっかけで家庭があんなことになったのに、自分は頭のどこかで、ぞくぞくするような期待も覚えていたんです」
A「そのきっかけが、ゴミ袋の件だったと」
B「そうですね・・・毎日夜遅くまで男と遊び歩いているんだろうなとは薄々思っていましたが、あのコンドームを見るときまで、まさかセックスまではしていないだろうと高をくくっていました。でも、正直言ってあのときぼくは、最高に興奮してしまってたんです」
A「ご自分で、それが異常だということはわかっていらっしゃる」
B「・・・大切な妻がほかの男とヤリまくっているなんて、まあ考えられる中で最悪の状況ですよね。離婚を考えて当たり前ですし、少なくとも強烈に憤りを感じるのが普通でしょう。それなのに、僕は激しく勃起して、妻が自分を裏切り、どんなふしだらな真似をしているのかもっと知りたいと思ってしまった。自分が変態だと徹底的に思い知らされて、すごくショックでした」
A「それで、奥さんを問い詰めなかったんですね。もっと、その悦びを感じていたかった」
B「・・・そんなことまで話さなくてはいけないんですか?」
A「ええ、必要なことですから」
B「妻を止めなかったことは、正直なところ後悔していません。でも、あのとき止めていれば、こんなことにはならなかっただろうなと今は思います。もうどうしようもないことですが」
A「奥さんの見た目や言葉遣いがどんどん変わっていく、それ自体にも異常に興奮したとおっしゃってましたね」
B「そう!そうなんですよ。・・・あの、わたしの中学のときの話はしましたよね?」
A「ああ、あのクラスのマドンナのお話?」
B「マドンナとはまた古いですね。おしとやかで髪がつやつやの、可愛い女の子でした。須藤・・・さやかちゃんって言ったと思いますね。入学して最初に出席番号順に座ったとき、席が隣になった子で。消しゴムを貸して貰ったり、宿題を見せ合いっこしたりして・・・ずっと彼女に憧れてました」
A「その子が何だと?」
B「いえ・・・ぼくは1学期のまん中くらいからだんだんいじめられるようになっていったんですけど、その子の態度がどんどん変わっていくんですよ。ぼくのクラスでの立場が低くなるにつれてね。最初は園田くん、園田くんって優しくしてくれていたのに、ぼくがクラスのバスケ部の奴らにこづき回されたり、彼女の前でパンツを下ろされたりするようになってから、僕を見る目が軽蔑の眼差しに変わっていったんです。あんなに大人しかった子が、最後には他の子と同じように、『おい、祖チン』とか『毎日家でちっちゃいチンポしごいてんだろ?キモいんだよ』とか、そんな言葉を吐くようになっていました」
A「それが、良かった?」
B「はい・・・お恥ずかしい話ですが。今思えばぼくは、そのときに変態になってしまったんでしょうね。女の子たちの前でパンツを下ろされて、さやかちゃんに『うわっ、ちっちゃーい!』って笑われたことを、その日から何回もズリネタにしてオナニーしまくりました」
A「それがあなたの性的原体験なんでしょうね。もしかして中学を卒業してからも、何回もそのときのことを思い出してオナニーされたり?」
B「そこまで言わなくてはいけないんですか・・・。まあ、しましたね。高校でも大学でも、最高のズリネタでしたよ。オナニーのとき想像する状況もどんどん派生していって。たとえば僕に敬語を使ってくれている後輩の子の前で、いきなりチンポを出したらどうなるだろうって妄想したりもしました。その日から年下の女の子たちにバカにされて、いじめられたら最高だなって」
A「なるほどなるほど」
B「・・・本当に、こんな話でいいんですか?やっぱり恥ずかしいんですが」
A「気にしないで下さい、たいていこうやって聞いていくものなんですよ、あなたの性癖がどういうものなのかというのは。作らなくてはならない書類もありますからね、きちんと聞かないといけないんです。それとも、続きは明日にしますか?」
B「いえ、大丈夫です。・・・どこまで話しましたっけ」
A「あなたの憧れの子のこと」
B「ああそうだ・・・それで、中学からずっと僕の性癖はそんな感じでした。大切な女の子に見下げ果てられて、バカにされたいという。そんなんですから、たまに女の子にモーションをかけられても、結局しり込みしてしまってうまくいきませんでした。でも、妻は違ったんです」
A「前に勤めてらした会社で、上司さんだったそうですね?」
B「そうです。初めて会ったときに驚きました。陽美は、さやかちゃんによく似ていたんですよね。特に、気が強そうで凜とした表情と、つややかな黒い髪が。はは、さすがに中学生ですから、胸のサイズまでは似ていませんでしたけど。・・・彼女には本当に、心から惚れこみました。いじめられたいとか、軽蔑されたいとか、そういう気持ちはなかったです」
A「じゃあ、本当の恋だったわけだ。いいですねえ」
B「笑って下さい。でも、僕は本気でしたよ。ほんとにいろいろ頑張って、数年で結婚までこぎつけましたが・・・一回もアブノーマルなセックスとかはしませんでした。ぼくの性癖は彼女と出会ってから、ずっと沈静化していたみたいですね」
A「それが、彼女の不貞行為や塩原隆の登場で、強烈に刺激されたと」
B「僕は、真性の変態なんですよ。結局ね。ずっと、妻の浮気を見て見ぬふりをつづけていたでしょう?離婚したくないから、親権を取られたくないからって最初は言い訳してましたけど、違うんですよ。どんどん態度が変わっていって、見た目もすっごくスケベなクソ女に成り下がっていく妻に、ぼくは最高に興奮してたんです。いつかそんな妻に奴隷のように扱われて、人権を剥奪されるような最低な生活をしてみたかったんです。中学生のころみたいに・・・」
A「・・・結構です、よくわかりました。もうこんな時間ですから、続きはまた明日にしましょう」
B「・・・軽蔑したでしょう?でもぼくは、ずっとこんな人間なんですよ。ハハハッ」
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