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【第24章】変態さくらの寝取られ日記③

最終更新:2010/06/01 01:21 │ 【小説】工藤夫婦の堕落 | コメント(1)

【第24章】変態さくらの寝取られ日記③

 


 カーテンが閉め切られ、陽の光が差しこまないリビング。ぼくは時間が経つのも忘れて、この猥雑なブログに見入っていた。ディスプレイが放つ無機質な光を顔に反射させ、マウスを握る手をわずかに震わせながら、およそ信じられないような内容の「日記」を読み進めていく。ブログのなかの日付は、すでに開設から2カ月分が経っていた。

 

 「寝取られフェチ」という性的趣向があることを、僕はこのブログで初めて知ることになった。知らない間に配偶者や彼女を他の優秀な男に密かに寝取られ、陰で蔑まれることそのものに興奮する男たち。そんなインモラルな性向が存在することに当初慄然としたが、いつしかぼくは股間をパンパンにいきり立たせ、夫を裏切り悦楽に浸る「さくら」の一挙一動に、身を焦がすような悦びを覚えていた。僕には間違いなく、寝取られMの属性が備わっていたのだ。

  


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 しかし、いつしかあるひとつの疑念が、ぼくを苛むようになった。

 

はじめはごく小さいつぼみのような発想だったそれは、次第に茎を伸ばすように成長を続け、いままさに花を開こうとしている。最初は論理立てて否定することができたその疑念は、いまや僕の脳を焼き尽くし、胸に穴を開けるように迫ってくるのだ。

 

「写真が全然違うじゃないか」

 

「住んでいる場所が違う。そもそも年齢すら違う」

 

「そんなことはありえないし、ありえるはずがない」

 

このブログに記された文章はそうした「論理」をはねつけ、ぼくにある妄想を抱かせた。つまりそれは、この「さくら」という女性の正体についての恐ろしい妄想だった。

 

「どうして、咲希はこのブログを見るよう書き残していったのか」

 

「どうして、「さくら」という女性が「寝取られ夫」と交わした会話に、ぼくは何とも言えない既視感を感じるのか」

 

「高収入を条件に上司の秘書になることを夫に認めさせた妻」が、いったい咲希以外に何人存在するのか―。

 

 

「さくら」がS様だけでは飽きたらず、提携先の専務理事にまで体を売って数万円の利益を得たくだりまで読み進めたころ、ぼくはついに激しい動悸とこみあげる嘔吐感を押さえることができなくなった。今にも過呼吸をおこしそうなほど息は浅く細かくなり、めまいを起こしたときのように視界がぐるぐると回る。僕は椅子を蹴るようにして立ちあがり、PCから逃げ出すかのようにしてトイレに駆け込んだ。

 

 「おえろろろろォッ!カフッ、ゲフッ!・・・ハァッ、ハァッ!」

 

 すがるように便器を抱きかかえ、何度も何度も黄色い胃液を吐き出す。

 

やめてくれ。考えたくない。

 

「・・・ああ・・・ウソだ・・・!うげホッ、オエッ!」

 

 想像もしたくない。

 

僕がいま抱いている疑念。それはあのブログを書いているのが僕の妻、咲希かもしれないという最悪の想像に他ならなかった。

 

 

 

ぼくはそれから何度も嘔吐して、トイレの床にへたりこんだ。「自分の妻が他の男に、誰とでも寝る淫乱女に洗脳されてしまったかもしれない」という恐怖。僕はそれを、どうしても頭から追い出すことができなくなっていたのだった。

僕にはどうしても、あの万事控えめで大人しい咲希と、奔放な淫売女「さくら」が同一人物とは思えなかった。掲載されている写真はどう見ても完全に別人で、プロフィールも全く咲希とは異なる。そもそも大学を主席で出たほど聡明な咲希が、あんなに頭の悪そうな文章を書くわけがない。ブログを読み始めた当初、僕は確実に「咲希とさくらは別人だ」と言い切ることができた。それなのに、いまや僕の心臓は早鐘のように打ち、恐怖と妄想に押しつぶされそうになっている。ブログを読みすすめれば読み進めるほど、さくらをめぐるエピソードひとつひとつが強制的に僕の記憶を呼び覚まし、咲希の疑わしい行動とリンクして、手足から僕の体を冷たく麻痺させていくのだった。

 

遅くなった残業帰りに、暖かいカレーを作って出迎えてくれたことがあった。あのカレーは今まで食べたことがないくらい美味しくて、咲希の優しさが胸にしみた。どんなに残業がきつくても、あのとき「愛してるわ」と言った満面の笑顔を思い出せば、何時まででも頑張ることが出来た。

いつか、プラダの偽物だと言って彼女が買って帰ってきた黒いハイヒール。あまりにも足や胸が露わになるので、着るのはよせと僕が言った同じ色のドレス。そのデザインすら、ブログと奇妙な一致を見せる。

ある頃から、ときおり家に帰ると煙草のような臭いがすることがあった。あのとき咲希はあっけらかんとした様子で「秘書のアルバイトをしている社長がヘビースモーカーだから」と話していたが、咲希がぼくとキスすらしなくなったのはそのころからではなかったか。

そういえば、遅くまで取引先の接待が大変だとこぼしていたこともあった。我が社と提携を結んだO社の山岸専務理事がとても親身になってくれて、提携にあたって尽力してくれたと話していたことも思い出した。最初は嫌な人だと思っていたが、いつからか咲希は「とても優しくて親切で、年齢を感じさせないエネルギッシュな方だ」と彼を褒めそやすようになった。週末もゴルフを、ゴルフを山岸さんが教えてくれるからと、接待で早朝から行かなくてはいけないと言って、そしてあの男、あの男も同行するから安心だと――。

 

「うぶっ、えっ、えろろろッ・・・!ハァ・・・ハァ・・・、うげっ、ゲホゲホッ!」

 

S様。

 

「翔太」のSであるわけがなかった。

 

ぼくの上司、咲希がサポートをしているいけ好かないあの男。倉田修一のイニシャルに間違いなかった。

 

彼のことを思い出したとき、全くふわふわとして実感のなかった家の中の風景が、いまおどろおどろしい「現実」として僕に迫ってきた。脳裏にかかる霧を必死で振り払い、時系列順に記憶をたどる。思い出せるのは、咲希が倉田の福岡出張に付きそうと言って姿を消したころまでだった。ディスプレイの右下に表示された日付は、すでにそのころから1月以上が経過していることを示していた。

 

その間、僕はどこで、何をしていたか。

 

それを思い出そうとしたとき。

 

(ショオオオオオオ・・・ビタビタビタビタビタ・・・)

 

僕は再び、失禁していた。

 

僕は心のどこかで、もうわかっているのだった。自分がいつ、どうしてこんな体になったのかを。この股間にはめられた金属と、玄関に山積みされた「おむつ」が、一体誰によって与えられたものなのか。どうして倉田を憎む思いが、これっぽっちも沸いてこないのか。倉田に対して、畏怖にも似た感情を覚える理由も。

しかし、そのはっきりとした情景を思い出すことを、脳が拒否する。どうしても、思い出せない。・・・思い出したくないのだ。

 

 トイレから這い出るようにして、リビングのPCの元へ戻った。玄関に積まれた「もの」が、どうしても視界に入ってしまう。パッケージにプリントされたアニメキャラクターの少女が、あたかも恐怖に苛まれる僕を嘲笑しているかのように思えて、さらに陰鬱な気持ちがかき立てられた。

 

(このブログを書いているのは、咲希だ)

 

そう認めるのに、それからたっぷり1時間かかった。さらにブログを読み進めることでその疑念が確信に変わったとき、なぜかぼくの陰茎は再び持ち上がり、固く勃起していた。これが彼女や妻を寝取られた男が生理的に起こしてしまう「鬱勃起」というものなのだろうか。画面の中の「さくら」がいやらしい報告をし、貞操観念など無視して淫蕩な行為にひたるのを見ると、今まで以上に強烈な嫉妬と冥い興奮が僕を襲うのだ。

 

あの貞淑だった咲希がいつの間にか嫌らしい娼婦に堕落し、不特定多数の男のチンポをしゃぶる淫売になっていることを想像する。吐き気とともに物凄い興奮がぼくを襲い、下半身をさらにいきり立たせた。いくら勃起を治めようとしても、錠前のついた金属の檻は、ぼくに自慰をすることすら禁じた。大切な伴侶を奪われ、狂おしいほどの嫉妬がぼくを襲うのに、チンポはいまだかつてないほどに肥大し、屹立している。貞操帯の中でうごめく分身を見下ろして、自分の矛盾した変態性に、ぼくはただ恐怖するしかなかった。

 

僕は射精したくてもできない状況にもだえ狂った。金属の上から何度右手でこすりあげても、僕の陰茎はぴくりともオーガズムを得ることができない。外国人のもののように肥大したそのサイズとは裏腹に、全く役立たずになったぼくの局部。いまやこのチンポは、排泄すらまともな男性のようにはできない。ぼくは全身を身もだえさせて、自分の体を呪った。

 

射精したい。大切な咲希を寝取られたみじめさに、最高に興奮したデカチンポ。両手で直接シコシコしまくって、たまったザーメンをびゅるびゅると出しまくりたい。その願いは、決して叶えられることはなかった。金属のケースいっぱいに勃起したチンポが元のサイズにおさまるまでに、それからたっぷり30分を要した。

 

          * * *

 

僕はそれからしばらく考えて、最後までこのブログを読み通すことにした。そう決めたきっかけは他でもない、咲希が残した置き手紙だった。咲希が本当に僕を裏切ったとするなら、この置き手紙は何なのだろうか。この手紙には、ブログを読めば今の咲希がいる場所がわかると、間違いなく咲希自身の文字で書かれている。軽蔑する夫を捨てて上司に走った女が、こんなことをするだろうか?普通は夫に二度と会いたくないと考えるものではないのか?

 

少なくとも、ディスプレイにうつる顔の分からない変態女には、間違いなく咲希の面影はなかった。そう考えると、この文章そのものも、巧妙に咲希の日常に合わせて書かれた創作であるように僕には思えてきた。例えばこの写真の女性や倉田が、夫婦の間を裂くためにわざわざ用意したものという可能性だって否定できないのだ。

 

ぼくは一縷の望みをかけて、ふたたびノートPCと向かい合った。マウスを握る手が震える。おさまらない動悸を必死に押さえ込み、再びどくどくと脈打ち勃起しようとする局部を意識しないようにした。カレーを食べている僕を満足そうに眺めながら、「愛してるわ」と囁いたあの咲希の笑顔。あの天使のような表情がまるごと嘘であると、僕にはどうしても信じられなかったのだった。

 

しかし、そう決心して読み進めた「さくら」の日記の内容は、さらに恐ろしい現実を僕の前に突き付ける。「変態さくらの寝取られ日記」は、このエントリーで終わっていた。

 

 

 

■寝取られ夫調教♪ 20XXXXXX日○○:○○

 

S様がきちんと証拠を固めて下さったので、ついについにグズの夫をわたしたちカップルの「奴隷クン」に調教することになりました このブログで沢山おチンポをシゴいちゃってるNTR趣味の皆さんにはたまらない結果になりそうですねw

詳しいことはご主人様に口止めされているので秘密ですが、もう夫は完全にワナにハマっちゃってます。わたしがいろいろと頑張った成果で、ほとんどぼーっとしちゃって判断力もなくなってるみたい。もともと仕事は全然ダメだった夫も、ついにOL以下、役立たず以下のゴミ男になっちゃいましたね。

今日はなんとご主人様とラブラブになってることを夫に打ち明けて、わたしと離婚するか素直に調教を受けるか選ばせるところまでいっちゃいましたおしっこ漏らしそうなくらい哀れな顔をして、ガタガタ震えてる夫は本当に笑えましたよw あーいい気味


 夫(元夫?)にはS様が作った「奴隷契約書」を渡してます。人権なんて放棄して、あたしたちカップルのセックス補助が大好きな変態チンポ奴隷になりますっていうエッチな契約書。ドMの夫のことだから、あれを読んだだけで興奮して、いまごろオナニーしちゃってるかもしれませんw

夫が契約書にサインして持ってきたら、次回からこのサイトは「寝取られM男の調教日記」に変わります。今夜はS様のマンションでたっぷりセックスしながら、M男からの連絡を待つことにします♪さくらでした【コメント:132 トラックバック:23

(了)

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密かにあたためているフェチ心を私たちと一緒に楽しみましょうm(_ _)m http://www.32yt.net
[ 2012/10/18 02:54 ] [ 編集 ]

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